祝 桐蔭高校箏曲部 和歌山大会優勝!
9月3日、和歌山県民文化会館大ホールにおいて高校生の箏曲コンクール和歌山大会が開催された。これは高校野球で甲子園に行くための地区予選みたいな意味を持つコンクール。今年は、念願の4年ぶりの優勝! この日はあろうことか私の教室の年に一度のおさらい会のリハーサルと重なってしまった。私にとってはどちらも大切な生徒さん。 さて、どうしよう。。。。? 結局、かけもちすることに。 調弦はOGに任せて、私はリハーサルを進めつつ、外には顧問の先生が車で待機してくれていて、2曲前になると電話をもらって車に飛び乗りホールに移動。走る走るー! 舞台に上がる前に、みんなに声をかけ、最後の注意事項を伝え、何の心配もなく弾けるようにセッティングや楽器を点検し、無事演奏を終えるとまたすぐ車に飛び乗りリハーサル会場へ移動。またまた走る走るー!これを2回も炎天下の中繰り返したのだから、我ながらよく体力がもったと感心。(まだまだ若いじゃん!) 今年の我が校の曲は、沢井忠夫作曲「黒田節による幻想曲」(1.2年生)と新実徳英作曲「オデュッセイア」(2.3年生)。 部員のほとんど全員が高校に入学してから筝を始めた。みんなたぶんお筝をよく見たこともなかっただろう。 なのにこんな大曲が弾けるまで成長した。 私は大学を卒業してすぐに自分の母校である和歌山県立桐蔭高校の箏曲部の講師になった。最初の頃は、私の教室の生徒さんもひとりとかふたりとかともかくすごく少なかったので、クラブに教えに行く時間はたっぷりあったし、部員も少なかったので学校にはよく通った。その頃は警備も今のように厳しくなかったので学校の和室で合宿して、泊まったこともあった。 講師になって初めて行ったときに楽器庫を見たらものすごい年代物の楽器がほこりだらけになってかまぼこの板みたいに何面も立てかけられていて、出してみたら虫が這い出してきて、ぎゃ~っ! 虫に喰われていたものもたくさんあって、殺虫剤を撒くことから始まった。 箏曲部は、人気もなかったし(実は私も高校時代入部していなかった。。。)、注目もされず、同窓会館の2階の広くて暗い和室でひっそり存続していた。冷房はついていたけれど壊れていたのかなんなのかスイッチを入れた途端にものすごい轟音と共に冷蔵庫に入ったような寒さになるほどの恐るべき威力があって、真夏はこの強力な冷房の中で震えあがりながら弾くか猛暑に耐えるか究極の選択を迫られた。 そういえば、そのうちなぜかその機械の中に鳩が住み着いて雛鳥を生み、クックルークックルーとよく鳴いていたかと思うと、やがて巣立っていった。 冬になると、やたら広い和室はものすごい冷え込みで手はかじかんで動かないし、寒がりの私なんて教官室から借りてきたちっちゃな電気ストーブを抱えこむようにしてレッスンしてた。 だけど、部員ひとりひとりのことはほんとによくわかっていたし、よく話もした。おさらい会も始めた。 昔の方がこわい先生だったと思う。