Photo and Diary2021-01-04T11:49:53+09:00
202023/06/20

夏来たるらし白妙の

春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほしたる天の香具山

 

あっという間に春が過ぎ、気がつけば初夏も過ぎ、梅雨入り。

この歌は、青空の下、真っ白で気持ちのよい衣が風に靡いている様子が目に浮かんで、とても爽やかで、梅雨時ではありますが、心なしか涼しくも感じられます。

 

更新をこんなにも怠ってしまって・・・

訪ねてくださった皆さん、留守にしていてごめんなさい。

 

3月から今までの間には、クローズドなコンサートがいくつかあり、東京教室の春のミニ演奏会があり、記念すべき出来事といえば、桐蔭高校箏曲部の指導を37年間勤めたことに対して、桐蔭高校同窓会から感謝状をいただきました。

37年間・・・自分自身が高校生だった年数を足すと40年も桐蔭高校に通っている計算に!!!

いやはや、自分自身はずっと変わらないつもりでいるのに、周りはどんどん変わっていく、まるで窓外の景色を眺めながら列車に乗っているような気分で、気がつけばこんなに時間が経っていたという感じです。

浦島太郎の物語も、子供の頃は、なるほど、おとぎ話でしたが、今は、なかなか、これは現実だ。と実感します。

 

現在、作曲に力を注いでおります。

練習をし、本を読み、音楽を聴き、映画を観て、作曲をするともう1日は、めいっぱい。

作曲を始めると時間を忘れてしまうので、夜が更けるどころか、気がつけば空が白み始めているということもしょっちゅうで、その度に、生活を反省する始末。

しかも、夜にひとり興奮してどんどん筆が進んだ時に限って、次の日にボツになること、あまたありけり。

今は「タイパ」(タイムパフォーマンス)重視らしいけれど、私はどうも真逆の道を進んでいるようです。

できる限り無駄を省き時間を短縮して、余った時間にまた何かを詰め込んでぎゅうぎゅうになった生活は私からみると息苦しいように想像するけれど、私だってもう十分、結構、ぎゅうぎゅうである(笑)。

無駄でぎゅうぎゅう・・・(笑)。

 

作曲をする私は、金脈を探しにいく採掘者さながら。

頑張って探し続けても見つからない日の方が多い。と言うわけです。

子供の頃から、寄り道が大好き。その習慣はあらゆる行動に結びついていて、私のこれまでの人生から無駄をとったら何も残らない、というか、むしろ無駄の集積とも言えます。

でも、無駄なこととそうでないことの境界線ってそもそも謎ですよね。

 

この3ヶ月はほとんどずっと箏七重奏の作品にかかりきりで、3日前ようやく書き上げました!(といっても、まだこれから微修正は入りますが・・・。)

ここ1週間は最後の仕上げ段階で、頭が大興奮状態になり、寝ようと思っても興奮が収まらず、不眠状態に・・・(泣)。

脳が燃えてる!!!!

演奏会が終わった日に興奮して眠れないということはありますが、それとはちょっと違って、脳が膨張して、熱くなっているような感じで、仕上がっても余熱で未だ不眠継続中。

ああ、安眠したい・・。

 

ちなみに、この箏七重奏、8月7日(月)和歌山城ホールにて初演予定。

演奏者は桐蔭高校箏曲部の現役高校生たち。

和歌山の皆さん、ぜひ聴いてください!そして、高校生たちの応援をどうかよろしくお願いします!

 

これからは、9月に初演するための新作が置き去りになっているので、そちらに集中します。

チラシができたら詳しくご案内しますが、映画音楽を作るという企画のコンサート。

本を読み、構成を考え、曲を考える・・・時間と才能が足りない・・と嘆きつつも、楽しくてまたまた脳が再び膨張する気配。

いろいろなことを調べ始めたらキリがなくて、集めた本は積み上がり、勉強したいことは増えるばかり。何かができるようになるとできないことが何倍にも膨れ上がり、何かがわかるとわからないことが何倍にも増殖する。というパラドックス。

 

そして、なんといっても、イメージしたものをかたちにするって本当に難しい。

イメージの段階ですでに盛り上がって踊りまくっている私の脳は、かたちにする段階になると思い通りにできないもどかしさで、荒い鼻息みたいに、沸騰するのです。

その一方で、イメージと違うところで思いがけず面白い展開になる時もあって、これこそお風呂場で「わぁーーーーーー!」と叫びたくなるほど幸せな瞬間。寄り道バンザイ!

作曲という作業が、こんなにもエキサイティングなものだとは!(というのは、あくまで私特有なものだと思います。)

 

そして、なんと!幸せなことに、11月には、私の作品を演奏してくださるコンサートがあります!(感激!)

 

今年は、自主企画『Poetic』も『Koto Cross Composing Project』もお休み。

今まではまず予定を立ててそれに向かってなんとしてもいいものを作ろう!と頑張って実行し、自分を新しい場所へ、次のステージへ向かわせたけれど、これからは、いいものを作るために計画を立てていくスローペースにシフトダウンします。

 

経験を熟成させて、醸成させて、新しいものを生み出すことへの挑戦!

 

過去の「私」にしがみつきたくない。いつも軽やかに未来に向かっていたい。

 

今日は私の脳の現状報告のような文になってしまいました。かたじけない・・・。

そういえば、最近は、お弟子さんたちの活躍も楽しみの一つ。

おばあちゃん化が止まりません!笑

See you soon!

162023/02/16

如月の日々に思うことなど

節分が過ぎ、立春が来て、暦の上では春になりましたが、みなさん、お元気ですか?

 

私は、相変わらず、生活変革中。

何も予定がない、計画がない、目覚ましはかけない、ノーコンタクトレンズ、ノーメイク、超フリーな日を月に3回は作ることにしました。

これがなかなか良いのです!

最初は怠けている自分に罪悪感を感じたり、時間がもったいないと思ったり、自由なのにどうしていいかわからなくて心が焦ったりしたものの、すぐにエンジョイできるようになり、この時間があることによってその他に時間を充実して過ごすことができるようになった気がします。

結局、本を読んで、お散歩して、普段の生活とそれほど変わらないときもあるのだけれど、空っぽな時間でリフレッシュ&リセット!

 

この1ヶ月の間に、まずは、ずっと聴きたいと思っていたピアニスト・ファジル・サイのコンサートに行くことができました。

しかも、ブルーノート東京ではアレンジを含めたオリジナル作品、すみだトリフォニーホールではバッハのゴールドベルク変奏曲とシュー ベルトのソナタ。ジャズとクラシック、どちらも凄かった!これが『世界』だよなー。と、そのスケールの大きさに、なんだか広い広い空を久しぶりに見たような気がして、うれしくなりました。

ファジル・サイは、トルコ出身のピアニストで、クラシック界では異才であり鬼才。音色の色彩と艶、独特の間、知性、そして、強烈なエネルギーに圧倒され、マルタ・アルゲリッチの時も思ったけれど、天才とはこういう人、「心が奪われる」ということはこういうことだと実感したのでした。

 

そして、東京文化会館へニューヨークの作曲家・デヴィッド・ラングの新作(ジャパンソサエティ主催)のモノオペラを聴きに行きました。

芥川龍之介の遺書ともいうべき作品が題材。弦楽四重奏と共にオペラ歌手ではなくジャズシンガーのモノローグで舞台は進んでいきます。私にはミュージカルとオペラの中間のように感じられ、漂う静けさは聴く側に思考する時間を与えてくれているように思いました。舞台の上で起こっていることが自分に起こっていることのように感じられた舞台でした。

 

そして、歌舞伎座にて片岡仁左衛門一世一代の公演、鶴屋南北作の「霊験亀山鉾 亀山の仇討」を観ました。

「十五代目 片岡仁左衛門さんと同じ時代に生まれていてよかった。」としか言えません。

素晴らしいことを並べあげるとエンドレスですから。

何もかもが圧巻!

 

また、近々ピラティスの先生の紹介で、アレクサンダーテクニックのレクチャーも受けたいと思っています。ピラティスは身体のために通い始めたのですが、ここから演奏技術に深い関係のあるアレクサンダーテクニックにつながるとは思ってもいませんでした。以前から興味があって本では読んでいたのですが、実際体験できることになり興味津々。

 

いろんな方面のインプットは続いております。

 

読書をし、作曲の独学も毎日少しずつ。

学べば学ぶほどに、学ぶことが増えるというループに陥りながら、それはなんとも楽しい罠でもあります。

昭和生まれですから、手書きメモは欠かせません(笑)。

「考える」ことは楽しい!

最初は、自分の音楽活動のための勉強と思って始めたことだけれど、横道に逸れることもしばしば。インプットしたことが実を結ぶとは限りません。ここから何も生まれないかもしれない。

それでも、音楽に限らず、「学びたい」と思ったのは、「疑問」があったから。

その答え、その手がかりが、生きている間に少しでもつかめたなら、嬉しいなあと思います。

この分だと、ねずみ算的に疑問が増えそうですが・・・笑。

 

2月5日には、門下生・江原優美香さんのデビューリサイタルがありました。私は賛助出演しました。小学校3年生から今まで20年…感慨深し。

桐蔭高校箏曲部から神戸大学に進み、その後演奏家になって演奏活動をしている植野由美子さんと小松亜未さん。

みんなコンクールで優秀な成績を修め、自力で道を切り拓いています。

時代も人も価値観も、変化が激しい現代の社会の中で、どういう演奏家になってどんな音楽活動していくのか私から言えることなどないけれど、一人一人にとって次へのステップとなるようなことを伝えられればと思っています。

だから、結構厳しい先生かもなぁ・・・笑。

 

そんな矢先に、トルコ・シリアで大きな地震がありました。

トルコは私の出身地・和歌山と関係が深いこともあって、特に親しみのある国です。

首都のイスタンブールに一度訪ねたことがありますが、とても美しく、賑やかな街の印象に反して人々は穏やかで静かに微笑みを讃えている印象でした。

現地の惨状を思うと胸が締めつけられる思いです。

心から祈りを捧げます。

 

See you soon!

232023/01/23

2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

2023年になり、随分日が経ってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

これから大寒波が到来し、日本全国寒くなるとのこと。

なんだか頭痛がしてきたな・・・と思って頭痛アプリを見たら、真っ赤な警告ランプが!^^;

どうかみなさん、ご安全に、そして、温かくして体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

今年は、秋以降に演奏・作品発表・レコーディングの大きいイベントが控えているので、それまでは、しっかり学び、インプットしていきたいと思っています。

2023年、ともかく「学ぶ」ことを中心に、生活を変えることにしました。

というか、現在生活改造中。

なにしろ私は夜型人間です。夜型人間は「不健康」「不節制」「不適応」というレッテルを貼られることも多く、社会は朝型で回っているので、肩身が狭く、かくいう私も何度も朝型生活への転換を図ろうとしましたが、無理でした。

朝型か夜型かは遺伝子でほぼ決まっているそうですよ!みなさん!

母から聞いた話では、私は赤ちゃんの頃から昼夜逆転、夜になると目が爛々と輝き、両親を困らせていたとか・・・。

絶対私の遺伝子は夜型だ。と確信しています。

 

それなら!夜型の「身体も心も健康ライフ」を実践しようじゃないの!(誰に向かっての宣言?笑)と、小学生のように一日の時間割を貼り出し、毎日、ここは改善の余地ありだな。とか独りごとを言いながら、生活実験中です。

食事時間、入浴時間を変えて、一番頭の冴えている時間を「学ぶ」ことに使えるようにし、家事もゆるいルーティンを決めました。(ゆる家事の記事を発見し、これは助かる!と思って読んで見たら、全部いつも私がしていることばかり。こんなにゆるゆる手抜き家事していたのに、しんどいなあ。もっとゆるくしよ。と思っている私の感覚に苦笑。)

食生活はもう少し時間と手間をかけようと思っています。

 

私の場合、「学ぶ」は「遊ぶ」に限りなく近く、むしろ暴走しないように気をつけないと、どんなこともその場で完結しようとして、朝までやめられないということになってしまいがち。

若い頃はそれでもあっという間に多くのことをいっぺんに吸収できたけれど、今はそうはいきません。結局、次の日疲れが残るだけで、吸収したことは何事もなかったかのように(笑)すぐに流れて消滅。

まずは、本を読む時も、いろんな言葉に立ち止まって、意味がわからなくなったら戻って、ゆっくりじっくり考えながら進んでいきます。

ヨガピラティスは、ゆっくり動くことでインナーマッスルを鍛えるし、煮物はコトコトと時間をかけることで味が沁みていく・・・。

今はきっとこっち。

少しずつ時間をかけて吸収していこう。

考えてみると、今までは「結果」「結末」「結論」が一番大事で、ともかくゴールを目指してまっしぐらに走っていたけれど、今はプロセスが大事。その過程が楽しい。

その過程にある「発見」「工夫」「味わい」しばしその時間にとどまることの「静けさ」。

 

昨年お気に入りのランプを買いました。お部屋を暗くして、そのランプの下で本を読むと、空間にいろんな言葉がシャボン玉のように浮かびはじめて、登場人物も見えてきて、声も聞こえてきます。これぞ脳内メタバース!笑

夜、しかもこれはね、夜中じゃないと、始まらない劇場なのですよ。

 

音楽家として、プロフェッショナルとして生きていくためには、自分をプレゼンテーションし、この現実の社会に認知され、評価されなくてはなりません。楽しいだけではやっていけないし、理不尽なことはいっぱいあるし、ストレスだっていっぱいあります。でも、それを差し引いても、自分の好きな道を究めて、職業にでき、生活していけることは何ものにも変え難い幸せだし、そうせずにはいられないという不可思議な情熱が自分を突き動かします。

方法や規模が変わったとしても、私が箏の音を愛する気持ちは増すばかりだし、箏の新しい音楽への興味は尽きず、探検家スピリットはまだ健在!だから、緩やかに今年も頑張ります。

先日、尊敬する箏曲家の大先輩と何十年ぶりにお話しました。もう箏はきっぱり辞められたとか。そういう生き方もカッコいいな。と思う。

人それぞれ。

ご機嫌でいられる人生が一番カッコいいような気がします。

 

「今だからこそできること」は、どの人にとっても同じようにあるはず。

 

みなさんにとって2023年が健やかで幸多き一年になりますように。

See you soon!

312022/12/31

2022年、ありがとうございました!

ついに大晦日。2022年もあと数時間となりました。

大晦日(大みそか)は大つごもりとも言い、そういえば樋口一葉の短編小説に「大つごもり」というのがあったはず。と思いつき、読みました。

旧仮名遣いで書かれているので読み方が正しいのかどうかもわからないままでしたが、胸を締めつけられる思いがしました。偶然なのか故意なのか謎が残ったままの結末が余韻となって心に長く響いています。

 

2022年、今年も大勢の方に支えていただき、幸せな一年を過ごすことができました。

感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

 

今年は私の教室の第30回記念演奏会を賑々しく華やかに開くことができました。

準備は大変でしたが、それゆえに喜びは大きく、教室生全員のチームワークもさらに強くなりました。応援してくださいました皆さま、サポートしてくださったスタッフの皆さま、さまざまな方面でご協力してくださった皆様に心から御礼申し上げます。

 

さて、来年は・・・。

私は、今回の記念演奏会を節目として、今後は自分の音楽活動の「作曲」の部分に特に注力していきたいと思っています。

そのために学びたいことは山ほどあり、また、ただでさえ専門的な勉強をしたことがない私にとっては作曲に途方もないくらいの時間が必要です。

本も読みたい、映画や舞台も観たい、世界中の文化に触れたい、いろんなアートを体験し、いろんな音楽をじっくり聴きたい・・・ああ、どれだけ時間があっても足りないなあ。と、溜息が出ます。多くのことをインプットし、作品としてアウトプットしていきたい。

そして、時間をかけて作品を作りたい。

そう思っています。

 

箏の可能性をもっと拓きたい、魅力をもっと伝えたい・・・。

表現したい気持ちは溢れるほどにあるのに、それが伝えきれないもどかしさに、真正面から向き合っていこうと思います。

自分に才能があるとは思わないけれど、心から尊敬する作曲家のお二人が私の作品に対してかけてくださった言葉が新しい道へ踏み出す勇気を与えてくれました。

私にとって、それは大きな励みであり、支えであり、拠り所です。

 

昔使っていた楽譜を取り出してレッスンをすると、沢井忠夫先生が直接書いてくださった書き込みが目に飛び込んできます。

子供の頃、受験の時・・・その筆跡を見て、先生が熱心に温かく教え、導き、伝えてくださったことを思い出し、胸が熱くなります。

来年は、先生が亡くなられた年齢と同じ年齢になる私。

未だ迷い、確かなものを掴めないでもがいているけれど、生きているうちに少しは何かわかるのだろうか?

と、そんなことを思いつつ、来年もチャレンジします!

 

皆さまの2023年が健康に恵まれ、幸多き年になりますように。

そして、来年も皆さまと一緒に楽しい時を刻むことができますように。と、祈りながら除夜の鐘を聞くことといたします。

See you soon!

282022/11/28

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会『祝祭』閉幕 ありがとうございました!

2022年11月12日(土)日本橋公会堂にて行われた私たちの教室の演奏会にご来場いただきました皆さま、また、ご支援いただきました皆さまに心から感謝申し上げます。

お礼を申し上げるのが遅くなり、大変失礼いたしました。

 

今年1年は、『祝祭』和歌山・東京公演で明け暮れたという感じで、終わった後はもう燃え尽きてしまい、魂が抜けたようで、まさに抜け殻!

干からびて、何もかもが頭も心も素通りしてしまい、自分の存在が消えて、透明人間になったようでした。

でも、お客様から、途中で帰ろうと思ったけど最後までつい聴いてしまって、気がついたらお尻が痛かった(笑)とか、ともかく全部楽しかった、とか、嬉しいご感想をいただき、本当に幸せで、もう初冬だと言うのに、心はぽかぽか温かいのです。

 

教室生の皆さんは大熱演。やっぱり予想通り本番に強かった(笑)。

みんな楽しそうだったけど、あなたが一番楽しそうだった。と、言われてしまった私。

実際、私はすごーーく楽しかった。どの曲もどんな音楽も、どの瞬間も、どの人も、みんな愛してるよー!という気持ちでした。

ブラジル音楽で私の大好きな『I love you, You love me』という曲を演奏しましたが、その通りAmor(愛)に溢れた時間でした。

 

最後のファッションショーでは、出演者もスタッフも異国の人になり(笑)、花道をランウェイに見立てて、みんな歩きました。私は司会をしたので、残念ながら歩けませんでしたが、みんな胸を張って堂々と、笑顔で、時にはポーズを取ったり、くるりと回転したり・・・「えーっ?みんな「恥ずかしい」って言ってなかったっけ?」と私はビックリ!

これがお客様にも大好評で、時には爆笑を誘う場面もあり、フィナーレにふさわしく、みんなはじけて、賑やかに華やかに盛り上がりました。

 

ブラジル色満載のチャリティーショップも、ブラジルチームがすごく力を入れてくださり、本格的なショップになりました。

家族、友人は元より、ご近所さん、友達の友達、の友達?くらいまでどんどんスタッフに巻き込むことになり、東京公演に関わった演奏者&スタッフは総勢50名。

本番は、時に目の回るような忙しなさではあったものの、明るい雰囲気に満ちていました。(舞台裏は修羅場だったかも・・・^^;)

 

全力投球。

一蓮托生。

 

感謝感謝感謝・・・いくつ連ねても足りません。

感謝と幸せと、充足感と、生きていることの喜びと、それらがまるで雨のひとしずくのようにぽとりぽとりと落ちて溜まり、空っぽになったと思っていた心のビーカーをいつの間にか満たしていたのでした。

 

30年は、長いようであっという間。

今回は、友達、ご縁の会った人たちとの10年以上ぶりの嬉しい再会もありました。お客様の間でも、客席で思いがけない人と再会するという奇跡がありました。

どうしてここで繋がるの?という不思議は、まるで星と星がぶつかるかのように、私の周りのあちこちで起こります。それはもう導かれたとしか思えない出会いです。

私がこうして箏を続けていられるのも、多くの人や音楽との出会いがあったからこそです。

この前、NHKのEテレを何気なく観ていたら、ふと「縁起」という言葉が耳に入ってきて、その説明に聞き入ってしまいました。

物には原因と結果があり、その周辺にはそれを包む縁(えん)がある・・・。

 

演奏会ではチラシの裏面に掲載した生徒さん一人一人の「わたしにとって箏は・・・」の答え合わせをしながらプログラムを進めました。実は、私だけは回答を紹介していませんでした。

私の「わたしにとって箏は・・・」の答えは、「運命(命を運ぶもの)」。

命=生きる力。

箏は、私にも、生徒さんにも、お客様にも、生きる力を運んでくれるものであり、与えられたもの。

 

さて、みんなで大変なことを乗り越える喜びを知ってしまった私たち(私?笑)は、これからどこへ行くのか?

楽しいことを考えるのが大好き。新しくて、ワクワクして、ビックリするようなもの、ぞっとするほど美しいもの、身を焦がすこと・・・心の鼓動は止まりません。

まだまだ冒険心は健在!

 

再びのお祭りに向けて、はやばやと準備に取り掛かっています。(というか、私より和歌山教室生の皆さんはすでに虫干しの会を、東京教室生の皆さんは春のミニコンサートに向けて企画準備中です。早っ!powerful ! ^ ^)

 

本当にありがとうございました。

今年は、クリスマスソングが流れる年末がことのほか、心に沁みます。

いい一年だったな・・。と。

See you soon!

22022/11/02

ホームランド

ついに11月。東京公演目前!

プログラムの原稿を校了、印刷開始。教室生の皆さんそれぞれに最終ワンポイントアドバイスをして、ここから先の詰めはご自身に任せ、あとは本番で私が精一杯のサポートをするのみ。

みんな、緊張する・・・と言ってはいるものの、どっこい!本番に強い鉄のハートをお持ちです(笑)

 

和歌山公演は、実行委員さんを中心に和歌山教室生が一丸となって準備し、東京教室生を迎えるというスタンスでしたが、今回は東京教室生が和歌山教室生を迎える番。

とはいえ、東京教室生はささやかなお弾初会の経験しかなく、また人数も少ないので、和歌山公演のノーハウを引き継ぎ、和歌山の実行委員さんに協力してもらいながら進めています。

それでもなお、和歌山と東京では環境や条件が全く違いますし、また企画自体も違うので、ミーティングを重ねながら、アイデアを出し合って、目下制作中。和歌山公演での反省事項を引き継ぎ、見直し、改良し、さらにパワーアップした舞台を皆様にご披露したいと思っております!

 

どうして演奏家になりたいと思ったのか?

演奏して幸せな瞬間はどんな時か?

 

もちろん、ミス連発、頭の中のホワイトアウト、パワー切れなどなど、ひどい演奏をして立ち直れないほど落ち込みまくって、プロとしてこんなことでいいのかと自分を責めまくり、もう辞めた方がいい、演奏家に向いてない・・・と思ったことは何度もあるけれど、考えてみると、ものすごく難しい曲をノーミスで弾いた時が自分にとって最高の演奏であり、一番の幸せであったかというとそうではない。

お客様、共演者、スタッフ、そこにいる全ての人と心が通じ合って、分かち合えたときは本当に幸せいっぱい。心は目に見えるものではないけれど、その瞬間、まるで異空間への扉が開いたように、道が開通したように、すーっと人々がつながって、それは見えるが如く感じられるのです。

私の母はその瞬間のことをよく「真空になる」と言っていたけれど、まさに真空の静寂。その後にいただく拍手は最高に嬉しい!最高に幸せな瞬間!

 

一方で、新しい試みにチャレンジをして、理解されなくて、批判されて・・・そういう時はとても孤独で辛いけど、不思議にそういう時に一人は必ず応援してくれる人がいてくれる。そして、心のどこかでこっそりチャレンジしている自分が好きな自分がいる。

こちらは、言うなれば、陰の幸せ。

 

幸せにも陰と陽があるのかな?

みんながみんな、こういう精神構造をしているわけではないです。もちろん!笑

 

私の教室は、泥んこになって遊んだり、どしゃぶりの雨の中で嬉しくなったり、そんな子供のような無邪気さで音と戯れる場でありたい、そして、私は仲間と一緒に来る日も来る日も音楽という畑を耕す人でありたいと思っています。

 

腕試し?肝試し?大いにアリです!

ここから羽ばたくもよし、疲れたら帰ってくるもよし、教室生にとっても、お客様にとっても、そんな心の拠り所「ホームランド」となるように願い、私にとってはここが「ドリームランド」。

多分、一生建設中です(笑)。

 

11月12日、日本橋公会堂にてご来場を心からお待ちしております。

See you soon!

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