Photo and Diary2021-01-04T11:49:53+09:00
262024/02/26

春と冬がせめぎあう日々に

寒いです。でも、これが2月というものです。

 

2月の両国門天ホールでの体験教室「日本のコトを知っていますか」は楽しく終了しました。

3日間あると、お一人お一人の方に丁寧にアドバイスもできますし、時間をおいて練習を重ねると、短時間に詰め込むよりも頭にも身体にも浸み渡って熟成していくような気がしました。(といっても、3日間で1年分以上のことを詰め込んだ内容でしたが・・・笑)

私自身、あらためて箏についての本を一から読み直し、六段について私なりに解釈・考察し、直前までアレンジからテキスト作成などしておりましたが、新たな発見も多く、とてもいい勉強をさせていただきました。

最終日の発表会では、皆さんとても素晴らしい演奏をご披露され、お子さんクラスでは途中から付き添いだったはずのお父さんとお母さんも好奇心爆発!飛び入り参加され、賑やかな演奏会になりました。

ちょっと学校のような、合宿のような雰囲気で、すごく楽しかったです。

みんなお箏が大好きになってくれているといいなあ。

 

その後すぐにレッスンがあり、教室の皆さんの熱気はいつもの如く燃え盛っております。

3月9日には、東京教室生によるミニコンサートを日本橋で行います。(12:30~日本橋コレド室町3の3階 橋楽亭にて)

また、和歌山教室では、今まで習った曲を忘れないために「虫干しの会」を開いたり、合奏練習をしたり、楽しみながら腕を磨こうという集まりが目白押し!

どうかお運びくださいませ。(西陽子箏曲教室Instagramにてご案内しております)

 

私は、現在、今年後半にあるCD発売記念コンサートの企画書や準備、秋にある海外公演の打合せや編曲をしながら、新作にとりかかっています(まだほぼ構想のみ)。今年前半は、熱血指導しつつ、勉強や思索、編曲や作曲に集中したいと思っています。

 

以前、「アート」って一言で言うと何でしょう?という質問を受けたことがあって、その時私は「鏡」だと答えました。

音楽で言えば、作品には作曲者の、演奏には演奏者の、考えや性格、生活、生き方の全てが映し出されるからです。そして、それがどのように聴かれるかということもまた、聴く人の考えや経験、その時の心もちが大きく反映されるように思います。

「私」を超えた普遍的なものに到達したいと思うけれど、天才ならいざ知らず、やはり「私」から生まれるものは「私」を超えることはなく、従って、「私」を超える音楽を作りたければ「私」を磨くしかない。という結論に達するわけです。(なんのこっちゃ?笑)

 

アラームをオフにして好きなだけ寝る幸せ極まりない朝があり、満月の日にはムーンパワーをいただくべく星空に手を広げる変人の夜があり、カフェでひとり頬杖ついている昼下がりもあり、マジックアワーの海底のような深く蒼い空に見惚れている黄昏時もありますが、そういう時にこそ詰め込まれた情報が思ってもみない連結をすることがあり、アイデアにつながることも多々あります。

要するに、脳も呼吸するようにぎゅっと頑張ったり、ふわっと解放したりすることを繰り返すことが大事なのかな・・・。

いや、それは脳のスポンジ機能が劣化してきたせい(笑)?

 

まあ、ともかく、しなやかでありたい。です。

 

今年してみたいことの一つに、街探検があります。

さっそく若き女友達と新大久保に行きました。噂には聞いていたけれど、まさにここは韓国でした!山手線の駅に異国が出現しているとは!驚きの連続!

韓国コスメが人気ということでお店に入ったら、「あなたね、このシワはね・・・」と何度もリピートされ、ちょっとムッとしていたら、それを遮るように友達が「この人はもうすぐ還暦で・・」とフォロー(?)してくれた瞬間、「還暦?私なんてもうとっくに還暦過ぎたわよ。」と、つるつるの白いお肌を見せつけられ、「このファンデーション、すごいでしょ。」と、さらに宣伝効果をアップさせることになったのでした。しかも、そのファンデーションをあっさり買ってしまった私(笑)。

美容部員さんたちは、日本ではほぼ20代~40代の若い女性だけれど、ここでは、60代70代の人が多くて、フェロモン(というのは死語ですか?笑)が溢れんばかりで、圧倒されました。

 

今、大好きなTV番組はNHKのドラマ「舟を編む」。三浦しをんさんの原作で、最初は本で読んだのですが、面白くて一気に読了しました。私は、時折、まるでお腹が空いた子供のように、美しいことばの雨を全身に浴びたいと思うことがあるのですが(変な人です。笑)、「ことば」の魅力をあらためて感じられるお話です。

 

そして、ちょっと元気がない時には、おやすみ前にパヴェル・ブリッチ作「夜な夜な天使は舞い降りる」を、お薦めします。どんな人にもひとりの守護天使がついていて、その天使たちが夜な夜な自らが見守っている人間たちについて話をするという可愛いお話。

私のそばにもきっと天使がいて、守ってくれていると思うと、大丈夫!と思えます。

 

雑談をたくさんしてしまいました。

 

皆さんは春になったらしてみたいことありますか?

 

私の家では、コロナ禍でトライしてみたいと思って買ったデジタルカメラと、ストウブのホーロー鍋と、刺し子に使う糸と布が保存されたまま、今か今かと出番を待っています(笑)。

See you soon!

282024/01/28

2024年開幕です

寒中お見舞い申し上げます。

元旦から大きな災害や事故が続き、おめでとう。という言葉を発することに躊躇してしまう年明けでした。

犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。そして、被害に遭われ今も不自由な生活をされている方々に心からお見舞い申し上げます。

時間を追うごとに地震や津波の凄まじさを思い知り、そこにいた方々がどんなに恐ろしい思いをし、そして、今どんな思いで日々を過ごされているか、想像は到底追いつきません。

ほんのほんの小さなことしかできないけれど、それでも、ほんのほんの少しの力になれるかもしれないから、私にできることをしようと思います。

 

高校時代の同級生による還暦同窓会に参加しました。

当然ながら、みんな年相応に変化はあるものの、声はほとんど変わらない。

話をしていると、忘れていた高校時代の日々が懐かしく思い出され、その上、今になって知った事実もありました。

クラスの中で実はいろんなことが起こっていたなんてちょっぴり青春ミステリー小説のようでしょう?笑

お世話になった音楽の先生は90歳になられ、さらに、今も市民合唱団で指揮をされているとのこと。私なんてまだまだ若輩者です。と頭を垂れたのでした。

肩の力が抜けて、穏やかに、ただ「会えた」ということのピュアな喜びに包まれた同窓会でした。

 

今年の私の音楽活動も大枠はほぼ決まっています。

演奏活動は、新しくリリースするCDの発売記念コンサートツアー(ブラジルと日本)、そして、海外での演奏があります(確定したらお知らせします。)

 

創作活動は、今年も高校生たちのための新作と海外公演のための新作を少なくとも3曲は作りたいと思います。(少ない?笑。すごく時間がかかるのでこれが私の限界かと・・・)

 

教授活動は、2月両国もんてんホールで行われる日本の伝統楽器体験教室「日本のコトを知っていますか?」はじめ海外でもワークショップを行います。そして、もちろん和歌山・東京教室、桐蔭高校箏曲部のみんなと、今年も楽しくいろんな音楽にチャレンジしていきます。3月には東京教室のミニコンサート、8月には和歌山で教室のおさらい会を開催、秋の海外公演も有志の方が同行してくださり、一緒に演奏をする予定です。また、教室生の自主活動もどんどん増え、それぞれの個性を活かしたユニークな活動を展開しているのが自慢です!

 

12月までの予定に沿って、それぞれの活動の準備がすでに始まっています。

海外公演も教室で行う会も、オンラインミーティングを重ね、企画を練ります。

世界中のどこにいても、お互いの顔を見ながらミーティングができるなんて、素晴らしいなあ。と思いつつ、さらに、パソコンの画面の中で展開される教室の若い人たちの手際の良さや繰り出される技に、まるでマジックだなあと目をパチパチしながら感心するばかり。

ほぼついていけてない(笑)。

でも、なんだかおもしろい。

50年前の世界でこの技を見せたら、間違いなく魔法使いだと思われる!

自分が生きている間にこんなに世の中が変化するとは思いもしませんでした。

そして、50年後は多分もう私はここにはいない。と思うと、この現実が幻なのか、私が幻なのか、不思議な気持ちになります。

 

戦争からは何もいいことが生まれないと何度も過ちを犯してきたはずなのにいまだに世界に平和が訪れない。

科学技術の進歩は魔法レベルなのに、人間の心や行動は果たして学んで進歩しているのか?と時折考えます。

進歩って、成長って何?

 

私の中のおばあちゃんやおじいちゃんは、なぜかそばにいると安心できて、生きることってこういうことなんだよ。って体現してくれているようで、存在に重量感があって、存在そのものが哲学みたいだった。

一緒に刻んでいる時間の密度が違うから?

 

若さを失っていくことは悲しくもあり、恐ろしくもあるけれど、毎年同じ季節が巡ってきた時に新しい境地にいたい。

私はもはや、おばあちゃんの年齢に達しているけれど、まだまだ軽すぎて、私の想像するおばあちゃんには程遠い。

 

そういえば、「魔女の宅急便」の作者・童話作家の角野栄子さんが、大学生との対談で、「みんな何かの魔法使いになれると思うのよ。」とおっしゃっていた。

みんな、たった一つ、どんな小さなことでもいいからできることを見つけて、修行して磨きをかけていけば、魔法使いになれる!

 

魔法使いになるための修行と思えば、落ち込む時があっても、日常生活が楽しく思えますね。

 

相変わらずの乱文ではじまった2024年。

意図せず思いつくまま綴った割には、「魔法」という言葉を何度も使っていました。

今年のキーワードは「魔法」かな?笑

 

Magic Dragon今日もゆく!

See you soon!

312023/12/31

ありがとうございました。そして、よいお年を!

ついに今年もあと1時間余りとなりました。

クリスマスイブの頃から少しずつこの文章を書きながら、修正を重ねているうちに大晦日になってしまいました。

相変わらずです・・・^^;

 

12月12日、今年最後のコンサートとライブレコーディング『KOTO BRASIL ~箏とブラジル音楽の出会い~』が終了しました。コンサートにご来場いただきました皆様、応援してくださいました皆様、そして、共演してくださった方々やスタッフのみなさんに心から御礼申し上げます。

 

この日、来年リリースするCDのレコーディングも無事終了。サンパウロでの音源も含め、全曲の録音が終わりました。

サンパウロでも、ほとんどが、東京と同様、ライブ録音のように、即興を含むいわゆる一発録り。

普通なら緊張でガチガチになってしまうはずが、不思議と力が抜けて、楽しく録音できました。

自分で言うのもなんですが・・・本当に素敵な曲ばかりなので、ぜひぜひみなさんにお聴きいただきたいです!

 

今年後半は、ともかく休む間もなく全速力で駆け抜けました。

コロナ感染で途中倒れながらも、作曲・演奏・録音・指導に、まさに全身全霊、集中しました。(いつもはどうなの?笑)

もちろん完璧というわけではありませんが、失敗したことも含め、自分の歩む方向がはっきり見えて、やっぱりこの道を進んでいけばいいんだ。という確信を得たような気持ちです。

 

才能が足りなくても、経験は自分が望みさえすればできる。そして、経験を積み重ねれば、学ぶことができて、そこから何かを作り出すことができる、と私は信じてきました。(信じたい!笑)

でも、これってAIのプロセスと同じ?

さらに言えば、AIはもっと優秀で記憶したことを忘れないから、私の努力は無駄で無意味で無価値?(信じたくない!)

 

できることが少しずつ増えていく楽しみ、わからないことがわかった時の喜び、これって不器用な人ほど大きいですよね。

だから、不器用であることや理解が遅いことは、不幸なことではないように思います。むしろ幸運!

AIに楽しみや喜びを奪われないために、私は、寄り道をしたり、敢えて面倒な道を探してみたりして、ひねくれつつ、勝手にAIと競っています(笑)。

そういえば、先日の高野山芸術祭で楽器屋さんと一緒にランチをした際、注文した後に、「先生って絶対その店のおすすめ頼まないですよね。」と言われて、はっとしました。

意識したことなかったけれど、そういえば、そうかも・・・笑

 

寿命が伸びて、タイムパフォーマンスが重視され、さらにAIがなんでも簡単に教えてくれるようになって、時間はいっぱい余るはずなのに、なんだかみんな忙しそうで不安そうで疲れている。

ニュース欄に、ある殺人事件と何万人もの犠牲者が出ている戦争の記事が並んでいる。

自然が破壊されて地球がどんどん熱くなっているのに、真夏に一日中エアコンを入れていることが後ろめたい。

正義の名のもとに破壊し傷つけることは正義?

納得できないことが世の中にいっぱいある。

変だよ。意味がわからない。と思いながら、何もできない、何もしていない、どうしていいかわからない自分が情けなく、腹立たしい。

 

海外でのリサイタルが、いつからか、自分の主張だけを言い放って去っていく行為のような気がして、喜びと感謝の気持ちの片隅に、これはもしかしたら単なる自己満足じゃないんだろうか。という思いが芽生えました。

やがて、その国の音楽や文化を知りたい、同時に私たちの音楽と文化も紹介したい、そして、一緒に何か新しいものを生み出していきたい、と思うようになりました。

ワークショップをし、現地の音楽家と共演し音楽を教えてもらいました。

美しさに心が弾み、その向こうにある哲学は、時に、私の価値観や考え方をぐるんとひっくり返して、目線を変えてくれました。尊敬と憧れは増すばかりで、温かな友情が生まれました。

そのうち、その国の音楽の美しさや素晴らしさを、今度は私が日本に伝えたい。と思うようになりました。

 

来年も箏という龍に乗って、旅をします。

海を越えます。

そして、あなたのそばにいて、あなたを励まし、あなたを慰め、あなたを愉快にする音楽を作って届けたい。

 

今年も応援を本当にありがとうございました。

みなさんにとって健やかで幸多き2024年になりますように。

よいお年をお迎えください。

See you soon!

32023/11/03

ブラジルから帰国しました!

毎回、文章の始まりはいつも「ごめんなさい」・・・で、今回もまた久々の更新となり、なんとも面目ない限りです。

 

まずは、これまでのご報告を。

8月、桐蔭高校箏曲部のために作った新作完成!タイトルは「十五夜の森」。(8月7日和歌山城ホールにて初演)

部員7名のための七重奏曲。

学校の行事予定があり、私はほとんど東京にいるため、直接のレッスンはなかなかできず、顧問の先生に何度も動画を送ってもらい、演奏を聴いては改訂を重ね、完成したのは約2週間前。全員が別のパートで、しかも、記譜は細かく、変拍子を多用、譜面を読むだけでも面倒な曲に真摯に向き合い、練習し、本番ではなんと!暗譜で演奏してくれました。

高校生たちと、意見やアイデアの交換を行い、作品を作り上げていく作業は刺激的で楽しいものでした。そして、イメージを伝えると、演奏はどんどん変わっていき、本番の演奏は、ものすごい熱気に溢れていて、私はただただ胸がいっぱいになって涙がこぼれました。

コンクールという枠にとらわれず、「新しい音楽を生み出す」私と箏曲部の新たな挑戦!

みなさん、本当にありがとう。

そして、必ずや再演いたします!

 

その後、実は、8月末に行われた恒例の教室の演奏会の直後に、新型コロナウィルスに感染してしまいました。発熱と焼けるような喉の痛みの他に、私は味覚過敏になってしまい、塩辛さも甘さも極端で本来の味はわからなくなってしまうような症状があり、和歌山の自宅にこもらざるを得ない事態に・・・。

9月はリハーサルと本番が続いていたのでどうなることかと思いましたが、奇跡的にスケジュールの調整ができ、無事演奏を行うことができました。

本当にギリギリのタイミングでした。

今はすっかり良くなりましたが、コロナの後遺症か?花粉アレルギーか?喉のイガイガが、最近ちょっぴり気になっております。

 

そして、構想1年!新作「ゴッホへの手紙」を完成!

9月9日(両国門天ホールにて初演)と15日(すみだトリフォニーホールにて再演)に、素晴らしいピアニスト・吉森信さんの大いなるサポートを得て、両国アートフェスティバルにて無事初演することができました。

学校にもなじめず、ただただ淡々と日常を送る一人の高校生の少女が、美術館でゴッホの自画像に出会うことから始まる物語。テーマ・アルル・浮世絵・星月夜・テーマⅡという5曲からなる作品。ゴッホが弟テオに宛てた「ゴッホの手紙」に心を揺さぶられ、触発されて作りました。

すみだトリフォニーホールでの演奏会では、林正樹さん、山田岳さんの作品も発表され、ご一緒させていただけたことを心から光栄に思い、その素晴らしい作品に刺激を受けました!

「ゴッホへの手紙」も、いつか、必ず!再演いたします!

 

そして、10月に入り、ブラジルへ渡航。2週間滞在し、録音やワークショップ、コンサートに明け暮れていました。

毎日が音楽三昧。長い時は朝9時頃から夜23時までリハーサルや録音。2週間体力を持続させるために、ホテルに戻ったら湯船に浸かってすぐ寝る。朝は出発ぎりぎりまで寝て睡眠時間を確保。ともかく時間さえあれば寝ていました。

食事はタンパク質重視!普段はあまり食べないお肉を毎日モリモリいただきました!フルーツでビタミンが摂れたのも良かった!

まさにスポーツ選手(笑)!

精神的には、大好きなブラジルでしたから、どんなに長時間の練習でもストレスフリー。ただただ楽しくて楽しくて、一緒に演奏してくれたミュージシャンの方々が素晴らしすぎて、ああ、なんて美しいの!なんて愉快なの!なんて切ないの!という感じで、心がぷくぷく膨らんでいくようでした。

そして、また、もっと学びたい。という思いが、溢れてくるのでした。

コンサートは大変な盛り上がりで、以前コンサートをしたベレンからも聴きに駆けつけてくださいました。そして、ブラジル日本研究会のみなさんがお食事会を開いてくださり、歓迎してくださいました。

おおらかで温かく、朗らかな人たちと、そこから生まれる美しい音楽、アマゾンの強烈なパワー・・・その魅力はまさに「沼」ですね!

 

これからの予定は・・・。

もう明日になってしまいましたが、東京藝術大学邦楽科の卒業生によるグループの演奏会で、私の作品「うみのこもりうた」(箏と十七絃による二重奏)を演奏してくれることになっています。

https://t.livepocket.jp/e/4ucko

脇坂明日香さんと町田夢子さんが、みなさんを海へと誘ってくれます。

演奏していただけることを心から幸せに思い、感謝しています。本番が楽しみ!

 

そして、6日・7日は、和歌山出身のメンバーで結成したバンド「KEY TRAD.」が高野山芸術祭で演奏いたします。

https://koyasanartdays.com/

12月は今年最後のコンサートです! KOTO  BRASIL!

https://t.livepocket.jp/e/fd-0b

是非遊びにいらしてください!

 

来年2024年、1月に高校時代の同窓会が久々に行われます。還暦同窓会!(私は早生まれなのでまだ還暦じゃない!とジタバタしていますが・・笑)

 

あと5年経ったら、10年経ったら・・・若い頃は、不安もあったけれど希望に満ちていました。

今は、できることが少なくなっていくだろうという確実な予測があって、ちょっと前まで、しわやたるみ、シミや白髪を鏡や写真で見るたびどんよりしていました。最近は諦めがついて、開き直り、もう、ともかく今やりたいと思いついたことは即実行しなければ!と、変な(笑)やる気に火がついています。

開き直ると自由になるんだなあ。と思う今日この頃です(笑)。

See you soon!

202023/06/20

夏来たるらし白妙の

春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほしたる天の香具山

 

あっという間に春が過ぎ、気がつけば初夏も過ぎ、梅雨入り。

この歌は、青空の下、真っ白で気持ちのよい衣が風に靡いている様子が目に浮かんで、とても爽やかで、梅雨時ではありますが、心なしか涼しくも感じられます。

 

更新をこんなにも怠ってしまって・・・

訪ねてくださった皆さん、留守にしていてごめんなさい。

 

3月から今までの間には、クローズドなコンサートがいくつかあり、東京教室の春のミニ演奏会があり、記念すべき出来事といえば、桐蔭高校箏曲部の指導を37年間勤めたことに対して、桐蔭高校同窓会から感謝状をいただきました。

37年間・・・自分自身が高校生だった年数を足すと40年も桐蔭高校に通っている計算に!!!

いやはや、自分自身はずっと変わらないつもりでいるのに、周りはどんどん変わっていく、まるで窓外の景色を眺めながら列車に乗っているような気分で、気がつけばこんなに時間が経っていたという感じです。

浦島太郎の物語も、子供の頃は、なるほど、おとぎ話でしたが、今は、なかなか、これは現実だ。と実感します。

 

現在、作曲に力を注いでおります。

練習をし、本を読み、音楽を聴き、映画を観て、作曲をするともう1日は、めいっぱい。

作曲を始めると時間を忘れてしまうので、夜が更けるどころか、気がつけば空が白み始めているということもしょっちゅうで、その度に、生活を反省する始末。

しかも、夜にひとり興奮してどんどん筆が進んだ時に限って、次の日にボツになること、あまたありけり。

今は「タイパ」(タイムパフォーマンス)重視らしいけれど、私はどうも真逆の道を進んでいるようです。

できる限り無駄を省き時間を短縮して、余った時間にまた何かを詰め込んでぎゅうぎゅうになった生活は私からみると息苦しいように想像するけれど、私だってもう十分、結構、ぎゅうぎゅうである(笑)。

無駄でぎゅうぎゅう・・・(笑)。

 

作曲をする私は、金脈を探しにいく採掘者さながら。

頑張って探し続けても見つからない日の方が多い。と言うわけです。

子供の頃から、寄り道が大好き。その習慣はあらゆる行動に結びついていて、私のこれまでの人生から無駄をとったら何も残らない、というか、むしろ無駄の集積とも言えます。

でも、無駄なこととそうでないことの境界線ってそもそも謎ですよね。

 

この3ヶ月はほとんどずっと箏七重奏の作品にかかりきりで、3日前ようやく書き上げました!(といっても、まだこれから微修正は入りますが・・・。)

ここ1週間は最後の仕上げ段階で、頭が大興奮状態になり、寝ようと思っても興奮が収まらず、不眠状態に・・・(泣)。

脳が燃えてる!!!!

演奏会が終わった日に興奮して眠れないということはありますが、それとはちょっと違って、脳が膨張して、熱くなっているような感じで、仕上がっても余熱で未だ不眠継続中。

ああ、安眠したい・・。

 

ちなみに、この箏七重奏、8月7日(月)和歌山城ホールにて初演予定。

演奏者は桐蔭高校箏曲部の現役高校生たち。

和歌山の皆さん、ぜひ聴いてください!そして、高校生たちの応援をどうかよろしくお願いします!

 

これからは、9月に初演するための新作が置き去りになっているので、そちらに集中します。

チラシができたら詳しくご案内しますが、映画音楽を作るという企画のコンサート。

本を読み、構成を考え、曲を考える・・・時間と才能が足りない・・と嘆きつつも、楽しくてまたまた脳が再び膨張する気配。

いろいろなことを調べ始めたらキリがなくて、集めた本は積み上がり、勉強したいことは増えるばかり。何かができるようになるとできないことが何倍にも膨れ上がり、何かがわかるとわからないことが何倍にも増殖する。というパラドックス。

 

そして、なんといっても、イメージしたものをかたちにするって本当に難しい。

イメージの段階ですでに盛り上がって踊りまくっている私の脳は、かたちにする段階になると思い通りにできないもどかしさで、荒い鼻息みたいに、沸騰するのです。

その一方で、イメージと違うところで思いがけず面白い展開になる時もあって、これこそお風呂場で「わぁーーーーーー!」と叫びたくなるほど幸せな瞬間。寄り道バンザイ!

作曲という作業が、こんなにもエキサイティングなものだとは!(というのは、あくまで私特有なものだと思います。)

 

そして、なんと!幸せなことに、11月には、私の作品を演奏してくださるコンサートがあります!(感激!)

 

今年は、自主企画『Poetic』も『Koto Cross Composing Project』もお休み。

今まではまず予定を立ててそれに向かってなんとしてもいいものを作ろう!と頑張って実行し、自分を新しい場所へ、次のステージへ向かわせたけれど、これからは、いいものを作るために計画を立てていくスローペースにシフトダウンします。

 

経験を熟成させて、醸成させて、新しいものを生み出すことへの挑戦!

 

過去の「私」にしがみつきたくない。いつも軽やかに未来に向かっていたい。

 

今日は私の脳の現状報告のような文になってしまいました。かたじけない・・・。

そういえば、最近は、お弟子さんたちの活躍も楽しみの一つ。

おばあちゃん化が止まりません!笑

See you soon!

162023/02/16

如月の日々に思うことなど

節分が過ぎ、立春が来て、暦の上では春になりましたが、みなさん、お元気ですか?

 

私は、相変わらず、生活変革中。

何も予定がない、計画がない、目覚ましはかけない、ノーコンタクトレンズ、ノーメイク、超フリーな日を月に3回は作ることにしました。

これがなかなか良いのです!

最初は怠けている自分に罪悪感を感じたり、時間がもったいないと思ったり、自由なのにどうしていいかわからなくて心が焦ったりしたものの、すぐにエンジョイできるようになり、この時間があることによってその他に時間を充実して過ごすことができるようになった気がします。

結局、本を読んで、お散歩して、普段の生活とそれほど変わらないときもあるのだけれど、空っぽな時間でリフレッシュ&リセット!

 

この1ヶ月の間に、まずは、ずっと聴きたいと思っていたピアニスト・ファジル・サイのコンサートに行くことができました。

しかも、ブルーノート東京ではアレンジを含めたオリジナル作品、すみだトリフォニーホールではバッハのゴールドベルク変奏曲とシュー ベルトのソナタ。ジャズとクラシック、どちらも凄かった!これが『世界』だよなー。と、そのスケールの大きさに、なんだか広い広い空を久しぶりに見たような気がして、うれしくなりました。

ファジル・サイは、トルコ出身のピアニストで、クラシック界では異才であり鬼才。音色の色彩と艶、独特の間、知性、そして、強烈なエネルギーに圧倒され、マルタ・アルゲリッチの時も思ったけれど、天才とはこういう人、「心が奪われる」ということはこういうことだと実感したのでした。

 

そして、東京文化会館へニューヨークの作曲家・デヴィッド・ラングの新作(ジャパンソサエティ主催)のモノオペラを聴きに行きました。

芥川龍之介の遺書ともいうべき作品が題材。弦楽四重奏と共にオペラ歌手ではなくジャズシンガーのモノローグで舞台は進んでいきます。私にはミュージカルとオペラの中間のように感じられ、漂う静けさは聴く側に思考する時間を与えてくれているように思いました。舞台の上で起こっていることが自分に起こっていることのように感じられた舞台でした。

 

そして、歌舞伎座にて片岡仁左衛門一世一代の公演、鶴屋南北作の「霊験亀山鉾 亀山の仇討」を観ました。

「十五代目 片岡仁左衛門さんと同じ時代に生まれていてよかった。」としか言えません。

素晴らしいことを並べあげるとエンドレスですから。

何もかもが圧巻!

 

また、近々ピラティスの先生の紹介で、アレクサンダーテクニックのレクチャーも受けたいと思っています。ピラティスは身体のために通い始めたのですが、ここから演奏技術に深い関係のあるアレクサンダーテクニックにつながるとは思ってもいませんでした。以前から興味があって本では読んでいたのですが、実際体験できることになり興味津々。

 

いろんな方面のインプットは続いております。

 

読書をし、作曲の独学も毎日少しずつ。

学べば学ぶほどに、学ぶことが増えるというループに陥りながら、それはなんとも楽しい罠でもあります。

昭和生まれですから、手書きメモは欠かせません(笑)。

「考える」ことは楽しい!

最初は、自分の音楽活動のための勉強と思って始めたことだけれど、横道に逸れることもしばしば。インプットしたことが実を結ぶとは限りません。ここから何も生まれないかもしれない。

それでも、音楽に限らず、「学びたい」と思ったのは、「疑問」があったから。

その答え、その手がかりが、生きている間に少しでもつかめたなら、嬉しいなあと思います。

この分だと、ねずみ算的に疑問が増えそうですが・・・笑。

 

2月5日には、門下生・江原優美香さんのデビューリサイタルがありました。私は賛助出演しました。小学校3年生から今まで20年…感慨深し。

桐蔭高校箏曲部から神戸大学に進み、その後演奏家になって演奏活動をしている植野由美子さんと小松亜未さん。

みんなコンクールで優秀な成績を修め、自力で道を切り拓いています。

時代も人も価値観も、変化が激しい現代の社会の中で、どういう演奏家になってどんな音楽活動していくのか私から言えることなどないけれど、一人一人にとって次へのステップとなるようなことを伝えられればと思っています。

だから、結構厳しい先生かもなぁ・・・笑。

 

そんな矢先に、トルコ・シリアで大きな地震がありました。

トルコは私の出身地・和歌山と関係が深いこともあって、特に親しみのある国です。

首都のイスタンブールに一度訪ねたことがありますが、とても美しく、賑やかな街の印象に反して人々は穏やかで静かに微笑みを讃えている印象でした。

現地の惨状を思うと胸が締めつけられる思いです。

心から祈りを捧げます。

 

See you soon!

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