Photo and Diary2021-01-04T11:49:53+09:00
709, 2022

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告・最終回

ご報告最終回が、9月に突入してしまいました。しかも、もはや演奏会から1ヶ月が経過してしまいました。

なんと!自分の感覚が全然追いついていません。

とはいえ、東京公演の準備も少しずつ始まっています。

 

いよいよ第2部ガラコンサート。

プレトークでは、藤原道山先生、芦垣皋盟先生と私で、出会った頃のお話や教室生との思い出などなど。笑えるエピソードあり、深いお話あり。

最後は「わたしにとって尺八は?」という質問にお応えいただきました。

プロの演奏家でもアマチュアでも、根っこは同じ。

音楽って人生や生活を一変させるすごいパワーを持っているのですよね。

 

続いては、お二人による「現代鈴慕」。

この貴重な演奏を目当てにご来場くださったお客さまも多く、私はリハーサルで拝聴しましたが、いつまでもずっと聴いていたい。と心底思いました。

尺八の音色がこんなに素晴らしいとは知らなかった。とか、尺八のイメージが変わりました。など、反響がすごかったです。

 

そして、私の新作「夢」の初演。

3楽章に分かれており、1、まどろみ、2、疾風、3、白い蝶というタイトルをつけています。第1稿ができたのが本番の3週間前。そこから大幅に書き直しようやく仕上がったのが2週間前。最後の2小節の音は3日前に変更。藤原先生にはたくさんのアドバイスとご協力をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

リズムも旋律も安定しそうになると崩したくなるというのが私の傾向。特に2楽章は変拍子と素早い転調の連続。もちろん意味もなく難しい曲を書くのは本末転倒だけれど、自分の手の内に溺れたくないと絶えず自制しています。それは私自身が溺れやすいことを自覚しているからなのですが…。手紙と同じ、夜中に自分の中で盛り上がって興奮してどんどん書き進めて、次の日冷静になってみると恥ずかしくなるパターンです。

作品のここは作曲家〇〇にそっくり。とか、構成力ないなあ。とか、拙いところは山ほどあります。

箏の新しい世界を作ってみたい。箏の持つ力や美しさを表現したいという思いはいつも溢れているけれど、いざ作品にまとめていくと、足りない、足りない・・・と力不足を痛感するばかり。

でも、私は自分が納得できるものを追いかけていきたいと思っています。

たとえ、みっともなくても、下手でも・・。

初演は全く納得のできるものにはならず…

『夢』は東京公演で再演いたします。今度こそはしっかり練習し本番に臨みます!

 

そして、最後に今回の衣装についてのこぼれ話を。

芦垣先生がプレトークでお話してくださいましたが、衣装にこだわるのも我が教室の特徴。

衣装も自己表現であり、自分の気持ちを上げてくれるものですから大事!

 

古典「石橋」。衣装は全員色無地の着物。

私は、この日新しい着物を着ました。呉服の担当者さんと一緒に地模様をあれこれ見ながら白生地を選び、何百色もある色見本の中から色を選び、デザイナーさんと一緒に考え作ってもらったオリジナルの紋を入れてもらいました。選んでいく過程で、色の染め方、生地の織り方などお話を伺い、職人さんたちの技の凄さに驚くばかりでした。

そして、来る日も来る日もめいっぱいだった私にとって、しつけ糸をはずして下さっていた担当者さんの優しい心配りはもう涙ものでした。ありがとうございました。

 

そして、「世界の民謡メドレーⅠ」の華やかな舞台で閉幕。

8時間以上に及んだ「祝祭」はおしまい。

ご来場くださった皆さま、サポートして下さったスタッフの皆さま、応援して下さった皆さま、本当に本当にありがとうございました。

 

さあ!次は東京公演。

11月12日(土)日本橋公会堂にて皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

See you soon!

2308, 2022

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告④

いよいよ、ここから教室生によるコンサートです。

少しずつ新しいことを取り入れながら変化していくのが我が教室の流儀。今回は30周年ということもあって、かなりリニューアル。新しいことにチャレンジしました。

 

その中の一つは大合奏。

オープニングの『六段』そして、第一部の最初の曲『黒田節による幻想曲』、第一部の終曲『石橋』、フィナーレの『世界の民謡メドレー』の4曲はどれも大合奏。

『黒田節による幻想曲』は全員。『石橋』は古典を習っている人全員。『六段』『世界の民謡メドレー』はほぼ全員。

今回は新しくて大きなホール。これはチャンジするしかないでしょ!というわけで4月から和歌山と東京で合奏練習を重ねてきました。前日のリハーサルでは和歌山教室と東京教室が合体!

「わあ、久しぶり。」「元気だった?」という会話もちらほら、賑やかに合奏を楽しみました。

 

衣装を楽しむのも我が教室のチャームポイント。

『六段』と『黒田節による幻想曲』は訪問着など柄物の着物。25面の箏と着物が織りなす舞台はなんとも華やか!絢爛豪華です。

『石橋』は色無地。金屏風に緋毛氈。箏は前、三味線は後ろに組んだ平台の上で演奏。私は、長唄の舞台を見るたび、ああ、なんて素敵!なんてカッコイイ!と憧れており、いつか教室でこの舞台セットを実現したいと思い続けてきました。今回実現!!!

『世界の民謡メドレー』は、お祭りのフィナーレですからはじけましょう!というわけで、民族衣装もどき?の衣装で演奏。みんな、マスカレード(仮装パーティー)ならぬ普段ではあり得ない衣装で大変身!演奏前には幕前で俄かファッションショーをしました。

どんどんはじけ方が大胆になって、派手になって、いつの間にか私たちの教室の名物企画になりました。

お客様にも大好評で、一緒に参加したいという方続出!^ ^

 

メンバーそれぞれが主役のプログラムは、70代のトリオ「スーパーマダム」の演奏に始まり、ついこの間まで初心者だったデュオ「ことひよ」さんから演奏家として活躍している人たちまで入り乱れ、曲目は宮城道雄作品から沢井忠夫作品、牧野由多可作品、私のオリジナル曲、箏曲部を舞台にした漫画に出てくる人気の作品、現代音楽と言われる難解な作品までバラエティーに富んだ曲目が並びました。トリは、30回連続出演、実行委員長でもあり、我が教室のボスでもある生徒さん(ボスというイメージとは程遠く、穏やかで控えめで優しく、頭がよくて誰もが頼りにする存在)が藤原道山先生の尺八と私の箏との三曲合奏『吼噦(こんかい)』(古典)で締めてくれました。

メインの曲はみんなそれぞれ1曲だけれど、上達して余裕ができてくると、助演として他の曲にも参加します。箏のいろんなパートや三味線、十七絃を担当。多い人では今回自分の持ち曲も含め10曲以上演奏した人もいます。

万が一私が倒れて弾けなくなっても、どこかのパートの誰かに何かあっても、すぐその穴を埋められるようにしておくだけでなく、どのパートにあってもいかに全体の音楽を魅力的にしていくかを考えながら演奏し、全体を俯瞰して演奏できるようにしてほしいと思っています。

 

定番の曲は全てのパートをいつでも弾けるようにしておく。

初見演奏の力をつけておく。

楽譜から多くの情報を読みとり、表現の引き出しをたくさん持つ。

 

これらは現代曲の演奏家としては必須ですね。

 

「成長」にはいろんな時期があって、次から次へミッションが与えられ量をこなしていく時期もあれば、曲は少ないけれどじっくり取り組んで磨きをかけていく時期もあります。「成長」もタイミングがあり、方向性がありますから、それを見計らうのが先生の役割かなと思っています。

私に頼りきった演奏から、やがて自立し、他の人の音が聴けるようになり、その上で自分の表現ができるように・・・その段階を一つずつ踏んでいくためにもおさらい会は大きなステップとなります。

今回は大きな舞台でしたから、すごくいい経験になったと思います。

 

とはいえ、舞台裏はみんな緊張している余裕もないほど走り回っていますよ(笑)。

それぞれに係があり、着替えがあり、大忙し!

演奏だけでなく、脳も最高に活性化したと思います。

 

それにしても、みんな本番に強い!

つづく

 

See you soon!

1908, 2022

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告③

続いては、音と映像で綴る「わたしたちの30年のあゆみ」。

編集委員は好奇心のかたまりで特に植物をはじめとした自然への興味が尽きない生徒さんと万葉集をはじめとした日本の古典文学が大好きでいつもユニークな視点でコメントしてくださる生徒さんが担当してくれました。お二人を中心にSNSチームがサポート。コロナ禍にあっても休むことなく継続したおさらい会を中心に、30年分のみんなの写真、私の海外での演奏活動や生徒さんの海外での活動の写真を、世界や日本の社会の動きと共に編集してくれました。音楽は、映像に沿って「だんご三兄弟」をはじめとする当時流行ったPOPSを数曲生演奏でお届けしました。

「こども音楽隊」として参加してくれた生徒さんのお子さんたちも、今はもう高校生や大学生になり、客観的にアドバイスしてくれました。頼もしく心強い!

ロビーではミニ写真展も開催しました。

 

30年の間に、携帯電話、インターネット、SNS、・・・私たちの生活は大きく変化しました。

奇しくも30年前にソ連が崩壊し、ウクライナが独立しました。そして、今戦争状態に・・。

アメリカで9・11の同時多発テロ事件があり、ほとんど情報のないアフリカや中東、アジアの各地でも政変や紛争などが絶えることがありません。

阪神淡路大震災と東日本大震災という二つの大きな災害に見舞われた日本。最近では、自然環境の変化を実感します。

その一方で、人々は毎日新たな命の誕生を祝い、家族や友人との食事や会話に幸せを感じ、新たな発見や発明に心弾ませ、美しいものに心奪われ、喜びを感じます。

30年間で価値観も大きく変化しました。

 

私自身、恩師・沢井忠夫先生、そして、いつも応援してくれた両親と叔母、大好きだった親友がこの世を去り、東京と和歌山の往復生活は変わらないものの住まいは江古田から北鎌倉、そして今の日本橋へと移り、音楽活動も変化し続けました。

多くの出会いと別れがありました。

それは生徒さんたち一人一人にも・・・。

当日は、生演奏をしたので映像はゆっくり見ることは出来ませんでしたが、事前に編集委員さんが送ってくれた写真を観て、その時々のできごとを思い出し、PCの前でひとり胸がいっぱいになりました。

 

どこで「老化」に転じたかはわからないけれど(笑)、今はしわやたるみ、年齢相応に老けました。まあ、昔の写真も自慢できるようなものは全くありませんが・・・笑。

 

人生は『選択』の連続。

選択してきた結果が今で、今の選択がこれからの私の人生を作っていく。

人間の能力は限られているから、やっぱり何かを選び、何かを諦めるしかない。

選んだこと、選ばざるを得なかったこと、選べなかったこと、選ばなかったこと、選ばれたこと、選ばれなかったこと・・・。

いろいろ思い返します。

 

でも、箏があって、私のそばにはいつも教室のみんながいてくれて、一緒に笑い、乗り越えてきたことがいっぱい。

 

今度は何をする?どんな楽しいことをする?お客様にどうやって楽しんでもらう?

 

そんなことをずっと考え続けて30年が経ちました。

その精神はこれからも変わりません。

 

『西陽子箏曲教室』・・・今ではあまり使われなくなった『教室』という名前にこだわっているのは、みんなに同じ教室で学び遊ぶクラスメイトでいてほしいから。

 

おさらい会はいつだって『文化祭』!

 

つづく

See you soon!

1608, 2022

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告②

開幕曲は、八橋検校作曲「六段」です。

箏曲の原点がここにあり、基本の全てが詰まっています。

それよりも何よりも、400年前から脈々と口伝を主体に伝わってきた作品を今私たちがこうして弾けることがすごい!と思いませんか?

何度弾いても新鮮。何度弾いても発見がある。決まった型がありながら、自由度が高い。

本当にすごい作品なのです!

 

私は、『筝は伝統楽器なのだから古典をやらなければならない。』という考えは好きではありません。

音楽家など親戚縁者に誰もいないごく普通の家庭で育ち、ピアノが大好きで、「ショパンやドビュッシー、ベートーベン最高!「春の海」は古典でしょ?」という程度の知識しかなかった私が、大学に入学してから始まった古典漬けの日々に違和感と重圧とストレスをどれほど感じていたことか・・・。

まるでブラックホールに突き落とされたような大学生活の中で、藤井久仁江先生や上木康江先生、芦垣美穂先生の『目から鱗』レッスンが私に古典の面白さを教えてくださいました。

 

『古典は面白いし楽しい!だからトライしてみようよ!

江戸時代の音楽を今体験できるなんてすごくない?これっていわゆるタイムトラベルでしょ?』

というのが、私の考え。

 

もちろん楽しくなるまですごく時間はかかります。

西洋化された社会に生きる現代人からすれば何もかもがまさに謎!

拍子の区切りが謎、規則性無し、旋律も謎・・・ああ、謎だらけ。ちんぷんかんぷん????

でもね、ゆっくりじっくり時間をかけてトライしてみると、癖になるほど楽しいですよ。

 

『六段』に基礎は全部詰まっているけれど、私は、ある程度弾けるようになってから、または、本人がちょっと弾いてみようかなという気持ちになってから、おすすめしています。積み上げていく順序を決めないで、長く楽しく続けていけることが最優先!

まずは謎を解いて、面白さを発見していく!

古典の演奏家は長い曲を暗譜して、何度も舞台で弾いて、演奏に深みや味わいを加えていきます。私は『修行』より『楽しみ』優先、『楽しさ』を伝えたいと思っています。

ジャンルが何であれとことん好きになれば、修行は苦行じゃなくなるし、夢中になって難しいことに自然と挑戦したくなります。

ともかくも、せっかく箏に出逢ったなら、『六段』を弾かないのはもったいない!

そういうわけで(どういうわけ?笑)、『六段』の演奏者は出演者全員(二人はやむを得ない事情で欠席)。キャリアもバラバラ、途中振り落とされそうになる人もいるけれど、今回は和歌山教室・東京教室でそれぞれ合同レッスンを重ね、みんななんとか弾けるようになりました。一人の練習もいいけれど、みんなで練習するとなんとなくできてしまうこと、ありますよね?

はじめは「なんとなく」でもいい。Let’s try !

これが私の教室のモットーです。

本番は今までで一番いい演奏になりました。(みんな、頑張りました!(^^)v)

 

全員による演奏『六段』にて華やかに開幕!

さて、どんな演奏会になりますやら。

つづく

 

See you soon!

1508, 2022

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告①

7月はとうとう更新できませんでした・・。ごめんなさい。

毎日毎日全く余裕がなく、常に明日が締切!という状態で、夜中までの練習や作業は日常、朝方までずれ込んだ日もたびたび。移動の飛行機は爆睡。コンビニごはん生活。おしゃれどころではなく、髪はボサボサ、目はしょぼしょぼでコンタクトレンズも入れられずド近眼ぐるぐるメガネの奥には澱んだ目・・・私の勝手なイメージでは、まさに『締切に追われる漫画家』!

和歌山に帰る直前、司会原稿を仕上げるのに食事をとる時間もなく、夜になってもゴールは遥か遠く・・・これは徹夜になるなあ。と覚悟し、ボロボロな姿のまま閉店間際の近所の行きつけのイタリアンレストランに駆け込むと、ご近所さんがお食事中。シェフに、「今日これから多分夜を明かすことに。。」と話すと、「パスタは眠くなるから、タンパク質にしておきました!」と絶品ローストチキンを出してくれました。それを、なんと!ご近所さんがご馳走してくださいました。

うーーー、ありがたすぎ(涙)。

 

こんな崖っぷちの状況ですので、周囲の人たちも巻き込んでしまい、それでも、ともかく8月7日の第30回記念演奏会に向けて全速力で走り続けました。

 

まずは、『西陽子箏曲教室第30回記念演奏会』を無事終えられたことをご報告いたします。

ご来場いただきました皆さま、助演してくださった藤原道山先生、芦垣皋盟先生、サポートしてくださった皆さまに心より御礼申し上げます。

11:00開演、終演は19:00を過ぎていたので、8時間を超える大イベントになりました。

写真やその時の様子は追って西陽子箏曲教室のTwitterやInstagramで発信されると思いますので、ぜひそちらをご覧ください。

 

前日はリハーサル。

朝9:00集合、10:00に始まって終わったのは夜21:30。

それから、スライドショーに関わってくれたSNSチームと最終編集作業。終わったのは23:30。

もうみんなくたくた、ヘトヘトだったと思います。

いいものにしたい。という私の「しつこいこだわり」が、みんなを巻き込んで犠牲を強いていたことに気づいたのはその夜、本番前夜でした。(それまで気づかなかった私の暴走ぶりたるや・・(*_*))

リハーサルを終えて一人帰宅。ずっと応援してくれていた今は亡き両親の仏壇の前で、いろんな思いが交錯してひとしきり泣きました。みんなを巻き込んでしまったことへの申し訳なさ、何よりリハーサルで聴いたみんなの演奏の素晴らしさ、応援し支えてくれる人たちへの感謝、30年間にあったいろんなできごとへの懐かしさ、明日はなんとしても最後まで頑張らなくちゃという自分への激励・・・それらが一気に押し寄せてきました。

でも、ともかく一刻も早く寝て、少しでも睡眠をとらねば!と我に返り、「用意は全てホールにして来たから明日は身一つで行けばいいだけ!」と指差し確認し、シャワーをして休みました。

 

当日の朝、ホールに着くと、もうすでに着付けていただいた生徒さんたちが慌ただしく楽器の準備をしていました。

楽器屋さんチーム(船場小川楽器さん。通称:SOG)はすでにスタンバイ。メンバーは、国民文化祭をはじめ過酷なイベントを一緒に乗り越えてきたみなさん。特に国民文化祭では、最初はお一人でお願いします。と依頼していたのが、いつの間にか、30名の大所帯になり、その舞台転換はまさにイリュージョンでした。大変なご苦労をおかけしました。(というか、いつもご苦労をおかけしています。)確実でありながら、さらに細やかな配慮に溢れていて、私たちを爽やかな笑顔で舞台に送り出してくださる、まさにプロフェッショナルなチーム!

そして、今回は全員着物着用ということで着付師の先生にお願いしました。着付教室つぼみの木下先生とみなさん。ブログはコチラ→ https://ameblo.jp/tubomi445/entry-12757907266.html

すごい早技!いつも肩がこって早く脱ぎたい。と思ってしまうのですが、今回は着物であることを忘れるくらい楽で、その上激しく動いても着崩れしない、これぞプロの技!というのを実感しました。

私も母が大事にしていた黒留袖に初めて袖を通しました。母の一番のお気に入りの着物と帯。

ただ、嬉しかった・・・。

廊下に出ると全員着物姿になっていました。

やっぱり着物って美しい!楽屋裏の風景は花が咲いたように華やぎました。

 

客席に出演者&スタッフ全員集合し、記念撮影。

 

毎年、映像と音、写真など記録は全部生徒さんのご主人と息子さんが担当してくださり、ご主人がドクターのお仕事を終えられた後に夜な夜なその膨大なデータを編集してくださっています。年々、カット割も凄くなって、音もよくなり、そういえば機材もより性能の良いものになっているような気が・・・。恐縮するばかり。

仕上がったDVDはみんなの反省材料となり教材となって、私たちの成長を支えてくれています。教室生の演奏を誰よりも熟知されているので、私もみんなもお目にかかるとちょっぴり恥ずかしい・・^^;

でも、その元にあるのは、奥様でありお母様への深い愛情。私たちは便乗している?^^;

 

受付のリーダーを担当してくださったのは、約15年にわたり顧問として一緒に桐蔭高校箏曲部を育ててくださった先生。実は、先生も桐蔭高校出身で私より1学年下の後輩。全国大会で文化庁長官賞を受賞し国立劇場で演奏した感動を一緒に味わいました。全くノーマークでダークホースでさえなかった桐蔭高校箏曲部の奇跡を一緒に経験できた尊敬する先生です!今回は先生のご厚意に甘えてリーダーをお願いしました。そして、教室生出身の方、しばしお休み中の方、桐蔭高校箏曲部OBOG、生徒さんの娘さん、お母さん、私の妹が担当してくれました。

 

多くの方々に支えられ助けられこの日を迎えられたことに心から感謝し、私は一人控室で、

「さあ、もうやり残したことは何もない!あとは思いきり楽しむだけ!」と、差し入れしていただいたドリンクをググッと飲み干し、目を閉じて深呼吸。

 

いよいよ開場。

お客様が続々と入場されました。新型コロナウィルスの感染がまたまた拡大し、感染者が最多という日が続いた和歌山。こんな状況下でご来場くださった皆様方に深く感謝しつつ、今日一日別世界にお連れしよう!と思ったのでした。

 

さあ!はじまりはじまり!

つづく

See you soon!

2806, 2022

さて次はいよいよ・・

poetic 無事終了いたしました。

満員御礼!蒸し暑い中、ご来場いただきまして本当にありがとうございました!

今回は、ゲストに地歌箏曲演奏家の轟木美穂さんをお迎えし、古典の演奏からプリペアド箏まで、前回とはまた違った切り口から箏の面白さを感じていただけたのでは。と思っております。

スタッフは教室の生徒さんたち、そして、さらに、BUTTERFLY effect さんの全面的なご協力により万全のサポート体制を整えていただきました。心より感謝いたします。

 

カフェ・BUTTERFLY effect は、いつ弾いても気持ちがいい!

音がよく響くけれど、響きすぎずまろやか。

そして、何かに守られているような安心感と心地よさがある、まさにパワースポットなのです!

 

後半はオリジナル曲によるプログラム。

新作2曲はギリギリまで完成せず、頭を抱えておりました。ちょっと進んだかと思えば、次の日には全部ボツ。不採用のメモはほぼノート1冊分。勉強不足を痛感しつつも、自分の方向性は少し見えたように思います。

『アフリカン・エアー』はプリペアド箏のために2002年に作った作品ですが、もう20年も経っていることに驚愕!でも、遊び心は今も健在です!

『ことのなごり』は、なんと、轟木さんが暗譜してくださり、恐縮してしまいました。私の拙い作品を暗譜して弾いてくださる方がいるなんて!!!幸せすぎです。

 

前半は純粋に演奏家として、沢井作品、現代作品、古典を私なりに解釈し、演奏しました。

 

少し前、長年の夢がひとつ叶いました。

私は、子供の頃ピアニストになりたいと思った時期がありました。小学2年生から高校卒業までピアノを習っていましたし、大学時代も副科で選択していました。ですから、ピアノを弾くことは大好き。

憧れのピアニストは、マルタ・アルゲリッチ。いつか生演奏を聴いてみたいとずっと思ってきました。先日、サントリーホールでその夢が実現しました。しかも、やはり憧れのヴァイオリニスト・ギドン・クレーメルとの共演!なんという奇跡!!!

そこで、私は自分でも驚きの経験をしました。

プログラムは、超絶技巧の派手さはなく、むしろ地味で、わかりにくい作品でしたが、涙が止まらなくなりました。

それは、今まで経験した、「胸がいっぱいになって溢れた感動の涙」とは違ったのです。

心はすごく静かなのに涙がじわりと流れてきたことに自分でもびっくりしたのです。涙の後から意識がついていく。というような感じで、涙が流れた瞬間は、一瞬なぜ泣いてしまっているのかわかリませんでした。感覚が先に反応し、心が動いて、やがて意識へと導かれるというような不思議な体験でした。

 

やっぱり世界はすごい!!!素直にそう思いました。

私は自分の今の小ささが恥ずかしくなりました。貧弱だと思いました。

大したこともないのに守りに入っていた自分が不遜に思えて、同時に、脇道に逸れて迷子になっていた私を本道に戻してもらったような気がしました。

灰色の雲が低く立ち込めた曇り空が晴れたように、心が解き放たれて、まだ跳べる!まだ跳んでない!そう思えました。

 

行き詰まった時は広い世界を見よう。と心がけてきたはずなのに、いつの間にか小さな世界で空回りしていたのかもしれません。

相変わらず緊張はするし、臆病で、もうダメだ・・・と、本番前は思ってしまうけれど、マルタ・アルゲリッチとギドン・クレーメルの音と音楽は私を蘇らせてくれました。もちろん持っている能力は足元にも及ばないけれど、私がずっと目ざしてきたものはここだった、これでいいんだ、と、我に返り、不思議に自信と明るさが戻ってきました。

 

楽器はなんであれ、音楽のジャンルがなんであれ、根っこは同じ。

気持ちが前に進むと、新しい夢も生まれてきました!

 

さて、次はいよいよ『西陽子箏曲教室第30回記念演奏会・和歌山公演』です。

チラシが完成しましたので、詳細をこちらよりお知らせいたします。チラシはこのHPを作ってくださった瓶子可南子さんがデザインしてくださいました。

7月1日より整理券の受付を開始いたします。

みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

途中経過などはここからも、西陽子箏曲教室のTwitterやInstagramからも発信して参ります。

教室生の皆さんと共に私も頑張っています!

ぜひ応援をよろしくお願いいたします。

See you soon!

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