ついに今年もあと1時間余りとなりました。
クリスマスイブの頃から少しずつこの文章を書きながら、修正を重ねているうちに大晦日になってしまいました。
相変わらずです・・・^^;
12月12日、今年最後のコンサートとライブレコーディング『KOTO BRASIL ~箏とブラジル音楽の出会い~』が終了しました。コンサートにご来場いただきました皆様、応援してくださいました皆様、そして、共演してくださった方々やスタッフのみなさんに心から御礼申し上げます。
この日、来年リリースするCDのレコーディングも無事終了。サンパウロでの音源も含め、全曲の録音が終わりました。
サンパウロでも、ほとんどが、東京と同様、ライブ録音のように、即興を含むいわゆる一発録り。
普通なら緊張でガチガチになってしまうはずが、不思議と力が抜けて、楽しく録音できました。
自分で言うのもなんですが・・・本当に素敵な曲ばかりなので、ぜひぜひみなさんにお聴きいただきたいです!
今年後半は、ともかく休む間もなく全速力で駆け抜けました。
コロナ感染で途中倒れながらも、作曲・演奏・録音・指導に、まさに全身全霊、集中しました。(いつもはどうなの?笑)
もちろん完璧というわけではありませんが、失敗したことも含め、自分の歩む方向がはっきり見えて、やっぱりこの道を進んでいけばいいんだ。という確信を得たような気持ちです。
才能が足りなくても、経験は自分が望みさえすればできる。そして、経験を積み重ねれば、学ぶことができて、そこから何かを作り出すことができる、と私は信じてきました。(信じたい!笑)
でも、これってAIのプロセスと同じ?
さらに言えば、AIはもっと優秀で記憶したことを忘れないから、私の努力は無駄で無意味で無価値?(信じたくない!)
できることが少しずつ増えていく楽しみ、わからないことがわかった時の喜び、これって不器用な人ほど大きいですよね。
だから、不器用であることや理解が遅いことは、不幸なことではないように思います。むしろ幸運!
AIに楽しみや喜びを奪われないために、私は、寄り道をしたり、敢えて面倒な道を探してみたりして、ひねくれつつ、勝手にAIと競っています(笑)。
そういえば、先日の高野山芸術祭で楽器屋さんと一緒にランチをした際、注文した後に、「先生って絶対その店のおすすめ頼まないですよね。」と言われて、はっとしました。
意識したことなかったけれど、そういえば、そうかも・・・笑
寿命が伸びて、タイムパフォーマンスが重視され、さらにAIがなんでも簡単に教えてくれるようになって、時間はいっぱい余るはずなのに、なんだかみんな忙しそうで不安そうで疲れている。
ニュース欄に、ある殺人事件と何万人もの犠牲者が出ている戦争の記事が並んでいる。
自然が破壊されて地球がどんどん熱くなっているのに、真夏に一日中エアコンを入れていることが後ろめたい。
正義の名のもとに破壊し傷つけることは正義?
納得できないことが世の中にいっぱいある。
変だよ。意味がわからない。と思いながら、何もできない、何もしていない、どうしていいかわからない自分が情けなく、腹立たしい。
海外でのリサイタルが、いつからか、自分の主張だけを言い放って去っていく行為のような気がして、喜びと感謝の気持ちの片隅に、これはもしかしたら単なる自己満足じゃないんだろうか。という思いが芽生えました。
やがて、その国の音楽や文化を知りたい、同時に私たちの音楽と文化も紹介したい、そして、一緒に何か新しいものを生み出していきたい、と思うようになりました。
ワークショップをし、現地の音楽家と共演し音楽を教えてもらいました。
美しさに心が弾み、その向こうにある哲学は、時に、私の価値観や考え方をぐるんとひっくり返して、目線を変えてくれました。尊敬と憧れは増すばかりで、温かな友情が生まれました。
そのうち、その国の音楽の美しさや素晴らしさを、今度は私が日本に伝えたい。と思うようになりました。
来年も箏という龍に乗って、旅をします。
海を越えます。
そして、あなたのそばにいて、あなたを励まし、あなたを慰め、あなたを愉快にする音楽を作って届けたい。
今年も応援を本当にありがとうございました。
みなさんにとって健やかで幸多き2024年になりますように。
よいお年をお迎えください。
See you soon!