少し前、地下鉄を利用し、車両に足を踏み入れると、立っている人も20人くらいいるのに、恐ろしく静か。
見渡してみると、みんなスマホを見て、その中の半分くらいの人はイヤホンを装着している。
みんなここにいるけど、頭も心もここにあらず。ということなんだなあ・・・。
と、思いながら、スマホを見ていない人を探してキョロキョロすると、
いた!ふたり!しかも外国の人。
お互い目を合わせてニッコリ。
きっと、今日この電車に乗り、こんな人に会った。という記憶があるのは、私たち3人だけだと思う・・・。
ブラジルなら、スマホを持っている人は狙われるから、絶対街中では取り出せないし、他の国でもここまでスマホを見ている人が多いところはないように思います。
私もつい見てしまうけれど、この状態はなんだかちょっとさみしい・・・。
私は、全く知らない人にしてもらったほんの小さな優しさや親切に救われたことが何度もあります。そして、自分ができた小さな親切もまたその日を明るく照らしてくれます。
そんなリアルな日常や偶然も楽しんで行きたいなあ。と思う日々です。
不思議と、いつも私のスケジュールは、月の後半、年の後半にイベントが詰まっている・・・。
今年も来月から下半期に突入。
海外3カ国(7、9、10月は海外にて公演)での演奏がすでに決まっており、来月はいよいよ新しいCDがリリースされます。
海外での演奏の際に、私は、できる限りその国の伝統楽器の音楽家と共演することをライフワーク(一体いくつライフワークがあるのか?笑)としています。
もちろん、リハーサル1回・ゲネプロ・本番が基本なので、即興が中心になりますが、ある程度のアレンジの準備はしていきます。今もまさにアレンジ続行中です。
アレンジをしていくと、その国の音楽を深く理解することにもなりますし、箏の魅力をどう生かしていくかということもすごく考えます。
箏は13本の絃しかなく、まずは13個の音を選ぶことから始めなければなりません。13個しかないから不可能なことだらけ。でも、それを面白味に変える。工夫する。それが苦しみでもあり、楽しみでもあるのです。
この曲を箏で弾くと面白い!と思った曲を大まかなアイデアでアレンジしてみて、使う音が13個にピッタリ収まった時の喜びは、もう飛び上がらんばかり!
やったね👍と、私の中の二人がジャンプしてハイタッチしています(笑)。
これぞ日本の美学ではないか!と図々しい自己満足!
たった一人で味わう極上の密やかなる喜び。
そうして、ついにその蓄積が来月新しいアルバム『KOTO BRASIL』となって、リリースされます。ブラジル・サンパウロで7月14日コンサートを行い、披露いたします。
ブラジル音楽を現地で、本場のミュージシャンとレコーディングをしたい。というのは、私の夢でした。多くの人のご支援で、夢が叶いました!(感謝!感謝!涙)
日本では、12月13日和歌山城ホール、12月17日サントリーホール・ブルーローズで、一緒にレコーディングをしたサンパウロと東京の仲間と共に発売記念コンサートを行います。
ブラジルは世界で一番多い民族から成る国家でありながら、そこに争いも差別もない。
どんな国のどんな人も笑顔で抱きしめてくれる国。
他民族の文化が自然に混じり合って(尊敬しあって)新しい文化が生まれている。
そして、アマゾンの大自然はブラジルだけでなく地球を支えている。
音楽の中にその全てが溶けています。
皆さん、どうか聴いてください。そして、コンサートにぜひお運びください!
また、あらためてご案内します。
明日につづく。明日は最終回。ちょっと(もっと?笑)長めの日記です。
See you tomorrow!