急に寒くなって、黒のタートルウエアが並ぶ部屋干しの列を見て、冬が近づいてきたことを感じています。

みなさん、お元気ですか?

10月も滑り込み更新となってしまいました💦

 

これまでに、フランスの芸術系テレビ局Arteの取材があり、書道教室に通い始め、そして、来月はブラジルに公演に行くことになりました。

 

Arteはフランスのテレビ局であり、主にヨーロッパ圏で、文化・芸術の番組を制作しフランス語とドイツ語で放送されています。夏に、スタッフの方からHPを通して直接、取材・出演のオファーがありました。

和歌山出身の作家、有吉佐和子氏についての番組、その中でも小説「紀ノ川」を大きく取り上げて制作されるとのこと。

「紀ノ川」の中では、母と娘の中に秘めていた親子間の価値観の違い、女性としての生き方の違いが箏を通して顕になり、感情が爆発します。

他にも、有吉先生は、伝統芸能を主題にした作品を数多く執筆されています。

インタビューの内容は深く、9月~10月にかけては、伝統芸能をテーマにした作品を中心にできる限りたくさんの有吉作品を読み、貴重な思索の機会を与えていただきました。(取材はこの後も続き、制作に約1年を費やし、来年の夏頃放送予定だそうです。)

 

ただ箏の音が大好きで夢中になり、沢井忠夫先生に憧れて芸大に進学してみたら、いきなり伝統を背負わされ、その重圧が窮屈で逃げ出したくなりました。でも、多くの偉大な古典の先生方に出会い、生の音を近くで聴き、教えていただいたことは目から鱗で、私は伝統とは関係なく、それこそ、一人の聴衆としてその芸に尊敬の念と感動でいっぱいになりました。

そうして、手探りながらも、少しは古典を理解できるようになりました。ただ、それは「理解」であって、自分の血となり肉となる、もはや身体の一部になるほどに自分にとってリアリティーがあるかというと、それは、やはり、どこまで行っても、愛し合えない恋人のような遠い存在でした。

 

人には得意なものも不得意なものもあって、好きなものも苦手なものもあって、能力も環境もさまざま。

もちろん箏を深く知る上で、古典を知ることは外せないけれど、

箏だから、伝統楽器だから、箏の演奏家だから、こうあらねばならぬ。というのは苦しい。

 

箏の音が好き。

どんな音楽を聴いても、これ箏で弾いたらおもしろいかも?と、いつも考えてしまう。

だから、音楽を聴くと疲れてしまう・・。

私は本当に箏が好きなのかな。と疑ったこともあったけれど、

いつも考えて疲れてしまうなんて、どれだけ箏が好きなんだ!熱愛恋人レベルではないか!(笑)

 

私は私の道をゆく。

箏の音が大好きだから、どうしてこんなに好きなのかその魅力の源泉を探す旅を続ける。

そして、今を生きる今の私の心が求めるものを追いかけたい。

 

さて、小学生の頃、書道教室で硬筆は習っていたものの、毛筆は初めて。

初心者である。

体験に行ったら、まず墨の香りがすごく良くて、すっかり気に入ってしまった。

もちろんずっと習いたかったのだけど。

周りには上手な人がいっぱいいて、筆はまるで生き物のように滑らかに和紙の上を滑っている。

それを見ているだけでも幸せな気持ちになる。

作品を提出される方が何枚か壁に吊るして、先生は、その中から最高の1枚を選んでいくのだけれど、正直、違いがわからない(笑)。

いつかわかるようになるのかしら。と思いながら、ぼーっと眺めるのもいい気持ちである。

 

さあ、そして、いよいよ来月はブラジルへ。

尺八のシェンさんとオーケストラによるダブルコンチェルト。

宮殿のようなオペラハウスさながらの立派なホールは、1500席の大劇場。

こんな舞台に立てるなんて!と、緊張と幸福が今は渦巻のようにぐるぐるしている。

ブラジルでは、もちろん実際にはいろんな問題があるのだろうけれど、今世界で対立している民族が仲良く平和に生活している。

それを可能にしているのは、音楽でありスポーツであるように思う。

だから、ブラジルが大好き。

音楽と生きることが繋がっていて、愛に溢れているから。

 

NO MUSIC, NO LIFE !

NO KOTO, NO LIFE !

 

See you soon!