日本橋周辺は神田祭で大賑わい。

朝から太鼓の音が鳴り響き、笛の音が聞こえてきます。

 

そういえば、私が子供の頃、日本一長寿の方は江戸末期生まれでした。

これってすごくないですか?(前回と同じパターン。笑)

子供心に新聞を見て、江戸時代に生まれた人と同時期に生きていることに大興奮したことを覚えています。そして、いまだ興奮冷めやらず・・・。

時々、思い出しては、すごいよなーと感動しています(笑)。

開国して間もない頃に生まれ、江戸の無血開城、大政奉還、文明開化を経験した人と一緒に生きていた時間があったなんて!!!

 

私の祖父は明治生まれ。大叔父は太平洋戦争で戦死。

父と母からは戦争体験の話を聞きました。

疎開生活のこと、玉音放送のこと、空襲のこと、戦後のこと…。

戦争は、学校の教科書の後ろにある付録年表の中の1行にあらず。

歴史は、生身の人間の歩み。

 

江戸時代の平均寿命は40歳。

縄文時代は最長寿命が30歳くらい。

・・・とすれば、私はもうすでに一人分の人生を終え、二人目の人生に突入、しかもそれさえももう終わっているかもしれないくらい生きている。

寿命が短くて、仕事ひとつ家事ひとつ、移動するのにだって今の何倍も時間と手間がかかった時代の人たちが、私たちの生活を見たらどう思うだろう?

 

空を飛べるなんて!!!

夜も街中が明るいの?

ここに居ない人と顔を見て話ができるの?

世界で何が起こっているのがいつでもどこでもわかるの?

と、驚きの連続だろうと思います。(昭和生まれの私でさえ自分が生きている間にこんな変化があるとは思いませんでした。)

 

だけど、

空の色をどれだけ知ってる?

夜空の星を数えたことがある?

雨のにおいを知ってる?

風の声を聞いたことがある?

雛鳥が生まれたことを知ってる?

新芽が出てたでしょ?

逆にこんな質問をされたら、私たちはいくつ答えられるだろう。

知らない間に季節がやってきて、去っていって、見逃していることが山ほどある。

 

公園の砂場でただ砂を掘り返し、水を流しているだけで、楽しそうなこどもたち。

ブランコをただ漕いでいるだけで大喜びなこどもたち。

何が楽しいのやら?と思う大人。

年齢を重ねると経験が増えて、感動がどんどん少なくなる。

新しいものに出会うことが少なくなる上に、そもそも新しいことに出会うための冒険や挑戦もしなくなり、新しいものに出会ったとしても、わかったつもりで通り過ぎてしまう。

たくさんの知識と経験の先には、臆病と鈍感と退屈が待っているかもしれない。

 

二人分の人生を生きる今の私たち。

すごく便利なはずなのに、すごく忙しい私たちの生活。

現代の私たちは、たくさんの情報を得られて、快適で、圧倒的に便利な生活をしているけれど、知識や技術の深さ、知恵、感覚の鋭敏さは先人に敵わない気がします。

むしろどんどん劣化している?

 

初めてのものを新しいと思うのは当たり前。

何度出会っても新しいと思えるのは相当の強者ですぞ!笑

 

そよ風の吹く晴れた青空の日に、心を、ゴシゴシ洗濯して、パンッパンッと叩きながら、思いきり広げて天日干し。

物干し竿の上で揺れている真っ白でいいにおいのする心が「はじまり」。

 

誰もが唯一無二の存在であり、歴史上の人物!

そして、自分の中にも歴史がある。

今日も刻み続ける私の歴史。

 

セカンドライフというなかれ。

2人目のファーストライフ!(いや、3人目?笑)

 

200年後くらいに、ある少女か少年が、古ぼけた私のCDを発見して、「この時代にこんな箏の音楽があったんだ!」って思ってくれたらいいなあ。なんて奇跡を夢みている私。

…というか、そもそも、今の時点でCDを聴く人もどんどんいなくなっているし、200年後はCDなんて存在しないと思うけど(笑)

See you soon!