ギタリスト・山下和仁さんの訃報に大きな衝撃を受けた。
昨年の11月、サンパウロでオーケストラとのリハーサルの時、音楽指導もされているギタリストの方から山下さんのお名前が出たばかりだった(以前にもここでご紹介したように、ブラジルでは、様々なジャンルの音楽家やスタッフが若い音楽家を育て、支援している)。
これまで、山下さんのお名前が出たことは一度もなかったのに・・・。
ブラジルに滞在された時に、ホテルは好きじゃないからとその方のお家に宿泊されたそうで、近づき難い天才のイメージとは違ったので、そのエピソードが心に残っていた。
そうして、10日ほど前に訃報を聞いた。
CDは持っているけれど、鬼気迫るものがあって、途中で聴くのが怖くなって止めてしまった。
今も最後まで聴けないまま。
動画を見ても、もはや音楽と一体化しているというか、別世界にいると言うか、神のようでもあり、悪魔のようでもあって、やはり天才という以外に形容する言葉が見つからない。
卓越した音楽家はたくさんいるけれど、天才は次元が違う。
住んでいる世界がここではないのだ。
悪魔のように人の心を奪ってしまう。
魂が肉体から引き抜かれてしまうのだ。
生演奏が聴けなかったことに後悔しきりだけれど、聴いてしまったら、音楽を辞めたくなってしまったかもしれないな・・とも思う。
尊敬も憧れも恋慕も、度を超えると、呪縛になる。
最近、そう思う。
呪縛になって、自分を失ってしまう。
あちらの世界、狂気・・・。
魂をえぐり出し、心を狂わせる。
偶然、雨上がりの真っ青な摩周湖をひとりきりで観たことがある。
透き通って怖いほどの碧さと静寂に魂が吸い込まれて、自分の存在が消えそうになった。
美しさとは恐ろしいものである。
See you soon!