Photo and Diary2021-01-04T11:49:53+09:00
252024/04/25

Instagram始めました!

今年はゆっくりお花見をする時間もないまま、気がつけばもう新緑の兆しが・・・。

皆さん、お変わりありませんか?

 

私はついに(大げさな!笑)Instagramを始めました。還暦を記念して何か新しいことを始めよう!と考え、チャレンジすることにしました。

 

お誕生日のまさにその日、パーティーを開いてくれたその場で、若いお弟子さんたちの応援を得てアカウントを開設、その後デビューしました。ほとんどの人にとっては、毎日の「歯みがき」のごとく特筆すべきことではないと思いますが、SNSから全く離れたところにいた私にとっては新たな世界への1歩。もうドキドキでした!

尻込みしていたSNSですが、いろんな方たちの投稿を見て聴くことが本当に楽しい!海外の友人たちの活躍や近況がリアルタイムで体験できるのが嬉しい!

世界中でこんなにたくさんの人たちが音楽を楽しみ、新しい音楽が生まれているんだ!と、実感し、心が高鳴りました。世界の民族楽器の演奏もたくさん聴くことができて、勇気づけられました。

もしよかったら、yokonishi_kotoのフォローをお願いします。元来が不精者なので、気まぐれな投稿になると思いますが、私自身でアレンジした曲やオリジナル曲の演奏、幸せを運んでくれるものの写真(私が幸せを感じるものなので、もしかすると他の人には???かも。笑)をゆるいペースで投稿していきたいと思っています。

ぜひ覗いてみてください!

 

先月の日記でお伝えしていた闘病中のお弟子さんが今月旅立たれました。

今もレッスンをしていると、お三味線を持って玄関から「こんにちは。」と笑顔で入って来てくれるような気がして、ふと、ああ、もういないんだなあ。と、我に帰ります。

当たり前にそこにいた人が消えてしまうことが、私には今だに納得できないけれど、私たち人間にはまだまだわからないことがたくさんあるのだから、この現実のすぐ隣には別の世界があるという可能性を私は信じます。

彼女が3年前私の自宅の庭にこっそり植えてくれたマーガレットが、毎年すごいパワーで成長し、今年も去年の1.5倍くらいに大きくなりました。大きな楕円形で、まるでお花の宇宙船です。

たくさんの人に見てもらいたくて、Instagramにも投稿しました。

彼女亡き後、教室生のみなさんには、思い出に株分けして持ち帰ってもらうことにしました。

このお花が咲くたびに彼女のことを思い出してもらえますし、いろんなところで大きく育ってたくさんの人に喜んでもらえたなら、それがきっと彼女の望みでもあり喜びでもあるはずだから。

私はもちろんお花たちに見守ってもらって、激励されています。

ありがとう・・・。

 

私の今の一番の楽しみは、本とノートとペンを持ってカフェに行くこと。

東京のレッスン場近辺にあるカフェは、静かで落ち着いたところが多くて、美味しいコーヒーとちょっぴりのスイーツで読書しつつノートを作るのは、最高に楽しい!

昭和生まれですから、やっぱり、なんといっても手書きです!

本を読んで、気になったことばや文章をノートに書き留めていく・・・キーボードで文字を打ち込んでドキュメントに残すというのではダメなんです。昭和生まれですから(しつこく!笑)

気になったことばの横に自分の感想や考えを書き込んで、そこから派生したことばの意味や浮かんだアイデアも違う色で書き込んだりして、ノートを作成していく作業は本当に楽しい!

気まぐれになんでも書き込んで、寄り道もして、どんどん膨らませて、その後に少し寝かせて見直してみると、思い出すだけではなく、新しい発見や連結もあり、何かが生まれ育っていく。

ノートはまっさらな畑のよう。手当たり次第に何かを植え、育て、不作のときもあれば、たくさん収穫があるときもあります。

作曲の構想や発想の源はここにあり!

 

もうすぐGWに入りますね。

みなさんはどう過ごされますか?

私は籠って作曲と編曲!(もう締切まで時間がない!汗)

See you soon!

302024/03/30

60代に突入しました!

ようやく桜がちらほら咲き始めましたね。

皆さん、お元気にお過ごしですか?

 

私は、無事60回目のお誕生日、つまり、還暦を迎えることができました。

晴れてシニアの仲間入りです!

 

誕生日当日、38年間指導を続けている桐蔭高校箏曲部のおさらい会があり、夜には、卒業生3人からお食事会に誘ってもらっていました。

おさらい会は満員のお客様に見守られ、部員や卒業生の熱演が続き、今年も素晴らしい演奏会になりました。

その後、案内されるままにレストランに行くと、なんと!和歌山教室の皆さんがほぼ全員集合!バースデイパーティー!ゴージャスなケーキとみんなの「Happy Birthday」の歌!

サプライズが凄すぎて、泣いてしまいました。ほぼ号泣です(笑)。

このパーティーは、昨年の12月ごろから計画が着々と進んでいたそうで、それから何度もレッスンがあったというのに、皆さんそんな気配は全く感じさせず!なんという一致団結ぶり!

和歌山教室と東京教室も連携していたそうで、ただただ驚くばかり!

3月9日の東京教室のミニコンサートでもケーキのサプライズがあり、お誕生日前日には、私の舞台を支えてくださっているSOGスペシャルメンバーによるすごいプレゼントをいただき、東京に戻ってきたらお友達からのプレゼントが届いていたという幸せ。

メッセージやお花もたくさんいただきました。お祝いをしてくださった皆様、本当にありがとうございました。

もう、幸せすぎて・・・。

めでたくこれからはシニア割引で映画鑑賞できます(笑)

 

この1ヶ月はいっぱい泣きました。

約25年通ってくれているお弟子さんが重い病気に罹られ、入院されました。私よりひと周りくらい年上のお弟子さんです。お見舞いに行っても、みんなからのメッセージを代読するのが精一杯で、気の利いたことは何も言えませんでした。

 

「題名のない音楽会」というテレビ番組に沢井忠夫先生の若かりし頃の映像が流れたということで、ほんの少しその録画を見せてもらいました。懐かしくて、涙が溢れました。

姿も、手の動きも、食い入るように見て、憧れて、追いかけてきたそのままの映像がそこにあって、先生の亡くなられた年齢を超えたというのに、先生はやっぱり先生で、私は今もどこかで先生に褒めてもらいたいと思っている・・・。

 

先生の音を初めて聴いた小学3年生の時の衝撃。

ちゃんと手をついて挨拶しなさい。と、注意された小学6年生の初レッスン。

厳しかったけれど、楽しみでしょうがなかった毎月のレッスン。

学校の授業が伸びて遅刻してしまった時に、心配してマンションの外まで出て待っていてくれた先生。

大学受験の発表の時には、地方からでも必ず電話をくださった先生。

畏れ多くて先生にはなかなかお話もできず、冗談を言われても固まっていた私。

ヨーロッパの演奏旅行では、ローマの休日さながら真実の口に、先生と一緒におずおずと手を入れ、嬉しくてたまらなかったのに、相変わらず固まって中途半端な笑顔しかできなかった私。

そんな小さな思い出を綴じたアルバムが一気に風でパラパラとめくれたような気がしました。

 

私は結局どんな時も感情を素直に出せなくて、言葉はおろか表情も「無」で、後から悔やまれることばかり。

感情と語彙とが釣り合わない。

 

でもね、愛と涙は同期している気がします。

それはもう、ただただあふれて、時には愛を感じるより先に涙が出てしまうこともある。

 

音楽はどうだろう?

私はいつだって音楽の中で叫んでいるし、泣いているし、笑っている。

愛を感じている。

だから、きっと、音楽と涙は似ている。

 

肉体は60歳になったけれど、心の年齢はよくわからない。

果たして心に年齢などあるのだろうか?

心に成長や老化があるのだろうか?

 

心も生きている。だから動いてなくちゃ、動かしてなくちゃならないと思うんです。

 

愛と涙と音楽と心の話。(昭和の歌謡曲「酒と泪と男と女」ではありません。笑)

See you soon!

262024/02/26

春と冬がせめぎあう日々に

寒いです。でも、これが2月というものです。

 

2月の両国門天ホールでの体験教室「日本のコトを知っていますか」は楽しく終了しました。

3日間あると、お一人お一人の方に丁寧にアドバイスもできますし、時間をおいて練習を重ねると、短時間に詰め込むよりも頭にも身体にも浸み渡って熟成していくような気がしました。(といっても、3日間で1年分以上のことを詰め込んだ内容でしたが・・・笑)

私自身、あらためて箏についての本を一から読み直し、六段について私なりに解釈・考察し、直前までアレンジからテキスト作成などしておりましたが、新たな発見も多く、とてもいい勉強をさせていただきました。

最終日の発表会では、皆さんとても素晴らしい演奏をご披露され、お子さんクラスでは途中から付き添いだったはずのお父さんとお母さんも好奇心爆発!飛び入り参加され、賑やかな演奏会になりました。

ちょっと学校のような、合宿のような雰囲気で、すごく楽しかったです。

みんなお箏が大好きになってくれているといいなあ。

 

その後すぐにレッスンがあり、教室の皆さんの熱気はいつもの如く燃え盛っております。

3月9日には、東京教室生によるミニコンサートを日本橋で行います。(12:30~日本橋コレド室町3の3階 橋楽亭にて)

また、和歌山教室では、今まで習った曲を忘れないために「虫干しの会」を開いたり、合奏練習をしたり、楽しみながら腕を磨こうという集まりが目白押し!

どうかお運びくださいませ。(西陽子箏曲教室Instagramにてご案内しております)

 

私は、現在、今年後半にあるCD発売記念コンサートの企画書や準備、秋にある海外公演の打合せや編曲をしながら、新作にとりかかっています(まだほぼ構想のみ)。今年前半は、熱血指導しつつ、勉強や思索、編曲や作曲に集中したいと思っています。

 

以前、「アート」って一言で言うと何でしょう?という質問を受けたことがあって、その時私は「鏡」だと答えました。

音楽で言えば、作品には作曲者の、演奏には演奏者の、考えや性格、生活、生き方の全てが映し出されるからです。そして、それがどのように聴かれるかということもまた、聴く人の考えや経験、その時の心もちが大きく反映されるように思います。

「私」を超えた普遍的なものに到達したいと思うけれど、天才ならいざ知らず、やはり「私」から生まれるものは「私」を超えることはなく、従って、「私」を超える音楽を作りたければ「私」を磨くしかない。という結論に達するわけです。(なんのこっちゃ?笑)

 

アラームをオフにして好きなだけ寝る幸せ極まりない朝があり、満月の日にはムーンパワーをいただくべく星空に手を広げる変人の夜があり、カフェでひとり頬杖ついている昼下がりもあり、マジックアワーの海底のような深く蒼い空に見惚れている黄昏時もありますが、そういう時にこそ詰め込まれた情報が思ってもみない連結をすることがあり、アイデアにつながることも多々あります。

要するに、脳も呼吸するようにぎゅっと頑張ったり、ふわっと解放したりすることを繰り返すことが大事なのかな・・・。

いや、それは脳のスポンジ機能が劣化してきたせい(笑)?

 

まあ、ともかく、しなやかでありたい。です。

 

今年してみたいことの一つに、街探検があります。

さっそく若き女友達と新大久保に行きました。噂には聞いていたけれど、まさにここは韓国でした!山手線の駅に異国が出現しているとは!驚きの連続!

韓国コスメが人気ということでお店に入ったら、「あなたね、このシワはね・・・」と何度もリピートされ、ちょっとムッとしていたら、それを遮るように友達が「この人はもうすぐ還暦で・・」とフォロー(?)してくれた瞬間、「還暦?私なんてもうとっくに還暦過ぎたわよ。」と、つるつるの白いお肌を見せつけられ、「このファンデーション、すごいでしょ。」と、さらに宣伝効果をアップさせることになったのでした。しかも、そのファンデーションをあっさり買ってしまった私(笑)。

美容部員さんたちは、日本ではほぼ20代~40代の若い女性だけれど、ここでは、60代70代の人が多くて、フェロモン(というのは死語ですか?笑)が溢れんばかりで、圧倒されました。

 

今、大好きなTV番組はNHKのドラマ「舟を編む」。三浦しをんさんの原作で、最初は本で読んだのですが、面白くて一気に読了しました。私は、時折、まるでお腹が空いた子供のように、美しいことばの雨を全身に浴びたいと思うことがあるのですが(変な人です。笑)、「ことば」の魅力をあらためて感じられるお話です。

 

そして、ちょっと元気がない時には、おやすみ前にパヴェル・ブリッチ作「夜な夜な天使は舞い降りる」を、お薦めします。どんな人にもひとりの守護天使がついていて、その天使たちが夜な夜な自らが見守っている人間たちについて話をするという可愛いお話。

私のそばにもきっと天使がいて、守ってくれていると思うと、大丈夫!と思えます。

 

雑談をたくさんしてしまいました。

 

皆さんは春になったらしてみたいことありますか?

 

私の家では、コロナ禍でトライしてみたいと思って買ったデジタルカメラと、ストウブのホーロー鍋と、刺し子に使う糸と布が保存されたまま、今か今かと出番を待っています(笑)。

See you soon!

282024/01/28

2024年開幕です

寒中お見舞い申し上げます。

元旦から大きな災害や事故が続き、おめでとう。という言葉を発することに躊躇してしまう年明けでした。

犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。そして、被害に遭われ今も不自由な生活をされている方々に心からお見舞い申し上げます。

時間を追うごとに地震や津波の凄まじさを思い知り、そこにいた方々がどんなに恐ろしい思いをし、そして、今どんな思いで日々を過ごされているか、想像は到底追いつきません。

ほんのほんの小さなことしかできないけれど、それでも、ほんのほんの少しの力になれるかもしれないから、私にできることをしようと思います。

 

高校時代の同級生による還暦同窓会に参加しました。

当然ながら、みんな年相応に変化はあるものの、声はほとんど変わらない。

話をしていると、忘れていた高校時代の日々が懐かしく思い出され、その上、今になって知った事実もありました。

クラスの中で実はいろんなことが起こっていたなんてちょっぴり青春ミステリー小説のようでしょう?笑

お世話になった音楽の先生は90歳になられ、さらに、今も市民合唱団で指揮をされているとのこと。私なんてまだまだ若輩者です。と頭を垂れたのでした。

肩の力が抜けて、穏やかに、ただ「会えた」ということのピュアな喜びに包まれた同窓会でした。

 

今年の私の音楽活動も大枠はほぼ決まっています。

演奏活動は、新しくリリースするCDの発売記念コンサートツアー(ブラジルと日本)、そして、海外での演奏があります(確定したらお知らせします。)

 

創作活動は、今年も高校生たちのための新作と海外公演のための新作を少なくとも3曲は作りたいと思います。(少ない?笑。すごく時間がかかるのでこれが私の限界かと・・・)

 

教授活動は、2月両国もんてんホールで行われる日本の伝統楽器体験教室「日本のコトを知っていますか?」はじめ海外でもワークショップを行います。そして、もちろん和歌山・東京教室、桐蔭高校箏曲部のみんなと、今年も楽しくいろんな音楽にチャレンジしていきます。3月には東京教室のミニコンサート、8月には和歌山で教室のおさらい会を開催、秋の海外公演も有志の方が同行してくださり、一緒に演奏をする予定です。また、教室生の自主活動もどんどん増え、それぞれの個性を活かしたユニークな活動を展開しているのが自慢です!

 

12月までの予定に沿って、それぞれの活動の準備がすでに始まっています。

海外公演も教室で行う会も、オンラインミーティングを重ね、企画を練ります。

世界中のどこにいても、お互いの顔を見ながらミーティングができるなんて、素晴らしいなあ。と思いつつ、さらに、パソコンの画面の中で展開される教室の若い人たちの手際の良さや繰り出される技に、まるでマジックだなあと目をパチパチしながら感心するばかり。

ほぼついていけてない(笑)。

でも、なんだかおもしろい。

50年前の世界でこの技を見せたら、間違いなく魔法使いだと思われる!

自分が生きている間にこんなに世の中が変化するとは思いもしませんでした。

そして、50年後は多分もう私はここにはいない。と思うと、この現実が幻なのか、私が幻なのか、不思議な気持ちになります。

 

戦争からは何もいいことが生まれないと何度も過ちを犯してきたはずなのにいまだに世界に平和が訪れない。

科学技術の進歩は魔法レベルなのに、人間の心や行動は果たして学んで進歩しているのか?と時折考えます。

進歩って、成長って何?

 

私の中のおばあちゃんやおじいちゃんは、なぜかそばにいると安心できて、生きることってこういうことなんだよ。って体現してくれているようで、存在に重量感があって、存在そのものが哲学みたいだった。

一緒に刻んでいる時間の密度が違うから?

 

若さを失っていくことは悲しくもあり、恐ろしくもあるけれど、毎年同じ季節が巡ってきた時に新しい境地にいたい。

私はもはや、おばあちゃんの年齢に達しているけれど、まだまだ軽すぎて、私の想像するおばあちゃんには程遠い。

 

そういえば、「魔女の宅急便」の作者・童話作家の角野栄子さんが、大学生との対談で、「みんな何かの魔法使いになれると思うのよ。」とおっしゃっていた。

みんな、たった一つ、どんな小さなことでもいいからできることを見つけて、修行して磨きをかけていけば、魔法使いになれる!

 

魔法使いになるための修行と思えば、落ち込む時があっても、日常生活が楽しく思えますね。

 

相変わらずの乱文ではじまった2024年。

意図せず思いつくまま綴った割には、「魔法」という言葉を何度も使っていました。

今年のキーワードは「魔法」かな?笑

 

Magic Dragon今日もゆく!

See you soon!

312023/12/31

ありがとうございました。そして、よいお年を!

ついに今年もあと1時間余りとなりました。

クリスマスイブの頃から少しずつこの文章を書きながら、修正を重ねているうちに大晦日になってしまいました。

相変わらずです・・・^^;

 

12月12日、今年最後のコンサートとライブレコーディング『KOTO BRASIL ~箏とブラジル音楽の出会い~』が終了しました。コンサートにご来場いただきました皆様、応援してくださいました皆様、そして、共演してくださった方々やスタッフのみなさんに心から御礼申し上げます。

 

この日、来年リリースするCDのレコーディングも無事終了。サンパウロでの音源も含め、全曲の録音が終わりました。

サンパウロでも、ほとんどが、東京と同様、ライブ録音のように、即興を含むいわゆる一発録り。

普通なら緊張でガチガチになってしまうはずが、不思議と力が抜けて、楽しく録音できました。

自分で言うのもなんですが・・・本当に素敵な曲ばかりなので、ぜひぜひみなさんにお聴きいただきたいです!

 

今年後半は、ともかく休む間もなく全速力で駆け抜けました。

コロナ感染で途中倒れながらも、作曲・演奏・録音・指導に、まさに全身全霊、集中しました。(いつもはどうなの?笑)

もちろん完璧というわけではありませんが、失敗したことも含め、自分の歩む方向がはっきり見えて、やっぱりこの道を進んでいけばいいんだ。という確信を得たような気持ちです。

 

才能が足りなくても、経験は自分が望みさえすればできる。そして、経験を積み重ねれば、学ぶことができて、そこから何かを作り出すことができる、と私は信じてきました。(信じたい!笑)

でも、これってAIのプロセスと同じ?

さらに言えば、AIはもっと優秀で記憶したことを忘れないから、私の努力は無駄で無意味で無価値?(信じたくない!)

 

できることが少しずつ増えていく楽しみ、わからないことがわかった時の喜び、これって不器用な人ほど大きいですよね。

だから、不器用であることや理解が遅いことは、不幸なことではないように思います。むしろ幸運!

AIに楽しみや喜びを奪われないために、私は、寄り道をしたり、敢えて面倒な道を探してみたりして、ひねくれつつ、勝手にAIと競っています(笑)。

そういえば、先日の高野山芸術祭で楽器屋さんと一緒にランチをした際、注文した後に、「先生って絶対その店のおすすめ頼まないですよね。」と言われて、はっとしました。

意識したことなかったけれど、そういえば、そうかも・・・笑

 

寿命が伸びて、タイムパフォーマンスが重視され、さらにAIがなんでも簡単に教えてくれるようになって、時間はいっぱい余るはずなのに、なんだかみんな忙しそうで不安そうで疲れている。

ニュース欄に、ある殺人事件と何万人もの犠牲者が出ている戦争の記事が並んでいる。

自然が破壊されて地球がどんどん熱くなっているのに、真夏に一日中エアコンを入れていることが後ろめたい。

正義の名のもとに破壊し傷つけることは正義?

納得できないことが世の中にいっぱいある。

変だよ。意味がわからない。と思いながら、何もできない、何もしていない、どうしていいかわからない自分が情けなく、腹立たしい。

 

海外でのリサイタルが、いつからか、自分の主張だけを言い放って去っていく行為のような気がして、喜びと感謝の気持ちの片隅に、これはもしかしたら単なる自己満足じゃないんだろうか。という思いが芽生えました。

やがて、その国の音楽や文化を知りたい、同時に私たちの音楽と文化も紹介したい、そして、一緒に何か新しいものを生み出していきたい、と思うようになりました。

ワークショップをし、現地の音楽家と共演し音楽を教えてもらいました。

美しさに心が弾み、その向こうにある哲学は、時に、私の価値観や考え方をぐるんとひっくり返して、目線を変えてくれました。尊敬と憧れは増すばかりで、温かな友情が生まれました。

そのうち、その国の音楽の美しさや素晴らしさを、今度は私が日本に伝えたい。と思うようになりました。

 

来年も箏という龍に乗って、旅をします。

海を越えます。

そして、あなたのそばにいて、あなたを励まし、あなたを慰め、あなたを愉快にする音楽を作って届けたい。

 

今年も応援を本当にありがとうございました。

みなさんにとって健やかで幸多き2024年になりますように。

よいお年をお迎えください。

See you soon!

32023/11/03

ブラジルから帰国しました!

毎回、文章の始まりはいつも「ごめんなさい」・・・で、今回もまた久々の更新となり、なんとも面目ない限りです。

 

まずは、これまでのご報告を。

8月、桐蔭高校箏曲部のために作った新作完成!タイトルは「十五夜の森」。(8月7日和歌山城ホールにて初演)

部員7名のための七重奏曲。

学校の行事予定があり、私はほとんど東京にいるため、直接のレッスンはなかなかできず、顧問の先生に何度も動画を送ってもらい、演奏を聴いては改訂を重ね、完成したのは約2週間前。全員が別のパートで、しかも、記譜は細かく、変拍子を多用、譜面を読むだけでも面倒な曲に真摯に向き合い、練習し、本番ではなんと!暗譜で演奏してくれました。

高校生たちと、意見やアイデアの交換を行い、作品を作り上げていく作業は刺激的で楽しいものでした。そして、イメージを伝えると、演奏はどんどん変わっていき、本番の演奏は、ものすごい熱気に溢れていて、私はただただ胸がいっぱいになって涙がこぼれました。

コンクールという枠にとらわれず、「新しい音楽を生み出す」私と箏曲部の新たな挑戦!

みなさん、本当にありがとう。

そして、必ずや再演いたします!

 

その後、実は、8月末に行われた恒例の教室の演奏会の直後に、新型コロナウィルスに感染してしまいました。発熱と焼けるような喉の痛みの他に、私は味覚過敏になってしまい、塩辛さも甘さも極端で本来の味はわからなくなってしまうような症状があり、和歌山の自宅にこもらざるを得ない事態に・・・。

9月はリハーサルと本番が続いていたのでどうなることかと思いましたが、奇跡的にスケジュールの調整ができ、無事演奏を行うことができました。

本当にギリギリのタイミングでした。

今はすっかり良くなりましたが、コロナの後遺症か?花粉アレルギーか?喉のイガイガが、最近ちょっぴり気になっております。

 

そして、構想1年!新作「ゴッホへの手紙」を完成!

9月9日(両国門天ホールにて初演)と15日(すみだトリフォニーホールにて再演)に、素晴らしいピアニスト・吉森信さんの大いなるサポートを得て、両国アートフェスティバルにて無事初演することができました。

学校にもなじめず、ただただ淡々と日常を送る一人の高校生の少女が、美術館でゴッホの自画像に出会うことから始まる物語。テーマ・アルル・浮世絵・星月夜・テーマⅡという5曲からなる作品。ゴッホが弟テオに宛てた「ゴッホの手紙」に心を揺さぶられ、触発されて作りました。

すみだトリフォニーホールでの演奏会では、林正樹さん、山田岳さんの作品も発表され、ご一緒させていただけたことを心から光栄に思い、その素晴らしい作品に刺激を受けました!

「ゴッホへの手紙」も、いつか、必ず!再演いたします!

 

そして、10月に入り、ブラジルへ渡航。2週間滞在し、録音やワークショップ、コンサートに明け暮れていました。

毎日が音楽三昧。長い時は朝9時頃から夜23時までリハーサルや録音。2週間体力を持続させるために、ホテルに戻ったら湯船に浸かってすぐ寝る。朝は出発ぎりぎりまで寝て睡眠時間を確保。ともかく時間さえあれば寝ていました。

食事はタンパク質重視!普段はあまり食べないお肉を毎日モリモリいただきました!フルーツでビタミンが摂れたのも良かった!

まさにスポーツ選手(笑)!

精神的には、大好きなブラジルでしたから、どんなに長時間の練習でもストレスフリー。ただただ楽しくて楽しくて、一緒に演奏してくれたミュージシャンの方々が素晴らしすぎて、ああ、なんて美しいの!なんて愉快なの!なんて切ないの!という感じで、心がぷくぷく膨らんでいくようでした。

そして、また、もっと学びたい。という思いが、溢れてくるのでした。

コンサートは大変な盛り上がりで、以前コンサートをしたベレンからも聴きに駆けつけてくださいました。そして、ブラジル日本研究会のみなさんがお食事会を開いてくださり、歓迎してくださいました。

おおらかで温かく、朗らかな人たちと、そこから生まれる美しい音楽、アマゾンの強烈なパワー・・・その魅力はまさに「沼」ですね!

 

これからの予定は・・・。

もう明日になってしまいましたが、東京藝術大学邦楽科の卒業生によるグループの演奏会で、私の作品「うみのこもりうた」(箏と十七絃による二重奏)を演奏してくれることになっています。

https://t.livepocket.jp/e/4ucko

脇坂明日香さんと町田夢子さんが、みなさんを海へと誘ってくれます。

演奏していただけることを心から幸せに思い、感謝しています。本番が楽しみ!

 

そして、6日・7日は、和歌山出身のメンバーで結成したバンド「KEY TRAD.」が高野山芸術祭で演奏いたします。

https://koyasanartdays.com/

12月は今年最後のコンサートです! KOTO  BRASIL!

https://t.livepocket.jp/e/fd-0b

是非遊びにいらしてください!

 

来年2024年、1月に高校時代の同窓会が久々に行われます。還暦同窓会!(私は早生まれなのでまだ還暦じゃない!とジタバタしていますが・・笑)

 

あと5年経ったら、10年経ったら・・・若い頃は、不安もあったけれど希望に満ちていました。

今は、できることが少なくなっていくだろうという確実な予測があって、ちょっと前まで、しわやたるみ、シミや白髪を鏡や写真で見るたびどんよりしていました。最近は諦めがついて、開き直り、もう、ともかく今やりたいと思いついたことは即実行しなければ!と、変な(笑)やる気に火がついています。

開き直ると自由になるんだなあ。と思う今日この頃です(笑)。

See you soon!

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