3月4日に大阪・茨木にて横山佳世子さんのサロンコンサートがあり、出演させていただきました。こちらでお知らせする前にすでにsold out。終わってから皆さんにご報告しようと思っておりました。

が、東京に戻ってすぐ3回目のワクチン接種をしたところ、副反応で高熱が出てしまいダウン。

すっかり遅くなってしまいました。

 

コンサートのタイトルは、横山佳世子の邦楽サロン Vol.25『没後25年 沢井忠夫のDNA~夢の姉妹共演~』。

ご来場いただきました皆様、ありがとうございました!

横山佳世子さんは私より10歳以上若く、同じ沢井忠夫先生に師事した姉妹弟子になります。小学生の頃から先生に師事できた幸運な弟子同士ですが、芸大在学の時期も離れていましたし、私自身邦楽以外のジャンルの方々との交流が多かったこともあって、すれ違いばかりで、今回が初共演でした。

彼女は2度交通事故に遭ってリハビリ中。足は赤紫色に腫れていて歩くのもままならない状態なのに、明るく音楽への情熱がほとばしっていました。

 

「水の変態」(宮城道雄作曲)と「三つのパラフレーズ」(沢井忠夫作曲)を共演。

踏ん張れない状態でこんなにパワーのある音が出せるなんて!と驚きました。艶のあるグリッサンドや押し手のニュアンス、そして歌…忠夫先生の片鱗が至るところに伺えて、ああ、先生はこうして今も生きてらっしゃるのだなあと演奏しながら懐かしく、身近に感じることができました。

 

合間のトークではレッスンの思い出や入門までの経緯についてのお話などをお互いにしました。

私が沢井忠夫先生に入門する道を拓いてくれたのは母でした。全く邦楽に何の縁もなく、しきたりも常識も知らない母だったからこそ、その恐れを知らない情熱がいろんな障害を突破し、子供を教えていなかった忠夫先生を動かし、直門への道を拓いてくれたのだと今になって母の愛情の深さを心底実感し感謝するばかりです。普段は用心深く控えめだけれど、ひとたび決心すると大胆になる母でした(笑)。

その後、芸大に入学して知った現実と母の見ていた夢の乖離に、私は時に苛立ち、抱え込み、それが母との距離を遠ざけることとなり、寂しい思いをさせてしまったこともあったと思います。

どんなことがあったとしても、母がいてくれたからこそ開けた道であることに違いないのに、素直に感謝する余裕もなく、自分に言い訳ばかりして卑下してしまった頃もありました。

若く未熟でした・・・。

結局、いろんな方々と出会いによって多くを学び、経験の蓄積が私をなんとか箏曲家として生きていけるように導いてくれました。

好奇心が私に幸運を運んでくれたように思います。

 

横山佳世子さんの音へのこだわり。

それは紛れもなく沢井忠夫先生のDNAだと思いました。

足が完璧に治って思いきり弾けるようになったら、どこまでパワーが爆発するのでしょうか!

姉弟子として鍛えておかねば吹き飛ばされそうだなあ。と思いつつ(笑)、彼女の1日も早い全快を祈り再共演を楽しみにしています。

See you soon!