新年早々出遅れてしまいました!
あれこれコンサートの情報をみなさんにお伝えしようと思っている間に、次から次へとコンサートが中止や延期になり、今に至りました。
まだまだ新型コロナパンデミックは収束する気配がありませんね…。
さあ、もうすぐ本番!と気持ちが上がっている時には、キャンセルになった瞬間、行き場を失ったエネルギーをまるで火消しのように自分の中で抑えこまなくてはなりません。そのアップダウンの繰り返しに慣れるのはなかなか難しい…。
それでも、生活できていることにただただ感謝する日々です。

私はたいてい、自宅の窓から東京の景色を眺めながら、あるいは、カフェで、ここに掲載する文章を書いています。名前も知らない姿も見えない皆さんに一方的に話をしています。隣あわせに座って、一緒にコーヒーを啜りながら窓の景色を眺めてお話をしているつもりです。
今年もどうかおつきあいくださいね。よろしくお願いいたします。

今は2度目のステイホーム期間。今回は、今まで挫折し避けてきた長編小説や難解な哲学の本や詩を読み始めました。両親が旅立ち、私にとって「生と死」というものが身近な現実になりました。生命について謎は深まるばかりで自分をどう納得させればいいのか今もわからないままです。

もちろん、全ての書物を深く理解できるわけではありません。というか、何がなんだかわからないことも多々あります。でも、その中のたった一つのことばや一節が、直接的な答えではないけれど、ぐーんと世界を広げてくれて、ぐるっと裏側から眺めさせてくれて、そのおかげで、少し安心したり、悲しいことばかりではないと思えたりもするのです。

わからないことを捨ててしまわないで、じっと考える。考える。考える。
何?どういう意味?どういうこと?

ソクラテスの時代も今も人の命が限りあるものであることは変わらない。そう思って読み始めたはずが、興味はいつの間にか「思想」から「古代ギリシアの人たちの生活」に移って、アテネで見たアクロポリスの丘やポセイドン神殿が思い出され、さらに子供の頃大好きだったギリシア神話も重なって、想像は限りなく広がっていきます。
そのうちに、脳の中に古代ギリシアの街ができて、そこに自分が生きているような気持ちになります。そして、読みたい本はさらに増える・・・。
だから本が好き!
あれ?哲学はどうなった?笑
そうやって時空を超えた脳内旅行も楽しんでいるわけです。
旅も大好き!

さて、今年からスタートさせる新たな活動は、西陽子箏コンサートシリーズ『Poetic』。
29歳でデビューリサイタルを開き、その後30代からコンサートシリーズをスタートさせました。箏の多面性を探った『face』(2001〜2003)、何かを伝えるという箏のコンサート自体のあり方を探った『LETTER』(2006〜2008)、それらの経験を集大成した『Spirit of a Tree』(2008〜2018)ではソロコンサートをアメリカ4都市、ドイツ4都市、ブラジル4都市、パリ、ローマ、マルタ、ブダペスト、ニューデリー、上海、ハノイで行いました。
海外へのソロツアーは子供の頃からの夢でした。大がかりで、多くの方々の多大なご協力とご支援を得て、ただただ夢中で駆け抜けた、めくるめくような日々でした。
そして、これからスタートさせる『Poetic』は、規模も小さく、koto salonというかたちでシリーズを展開していきます。箏の中に眠る自然の音を生で聴いて感じていただきたい!今まで積み重ねた活動から生まれた箏と私の関係、箏を通した音楽へのアプローチ、そして、音楽とは?という問いに対する探究をさらに進めます。
『Poetic』は『詩的な』という意味。音楽も活動も、お客さまとの関係も、ぽつりぽつりと、全てを埋め尽くしてしまうのではなく、ドラマのように筋書きや構成があるのでもなく、隙間がいっぱいあって、ただそこに在ることが肯定されるような時空間にしたい。という思いを込めています。
むかしばなしをはじめさまざまなジャンルの文学作品を取り込んでいきたいとも思っていますし、小さなマルシェも一緒に開きたいと思っています。
小さな宇宙を作る。これが、私のpoetic dreamです。
今回会場として使わせていただくカフェの名前「BUTTERLY effect」の意味も私の気持ちにリンクしています。
コロナパンデミックが終息した時、どんな世界が私たちを待っているのでしょうか?きっとその世界を作るのは今のわたしたち。
どんなことをしたい?どんな世界にしたい?

ウエブサイトをデザインしてくださっている瓶子可南子さんが素敵なチラシを作ってくださいました!↓

ぜひお運びください。
3月にはもう少し状況が好転していることを祈りつつ・・・。

See you soon!