もうすぐです!

2011-11-29T16:54:33+09:002011/11/29|

もうすぐ、カーネギーホールでのコンサート。お部屋にこもって練習する毎日ですが、休憩も兼ねてアパートメントのまわりをお散歩。 道の両側にある銀杏の木は、すっかり葉っぱが落ちて、歩道には落葉がいっぱい。そして、5時になるともう完全に暗くなって夜になるのだけれど、クリスマスの灯りでとても華やか。 昨日は、ニューヨーク在住のパーカッショニスト、ヴァレリー・ナランジョさんとのリハーサル。2時間半のリハーサルはあっという間に終わってしまいました。雑談もほとんど無く、ひたすら楽譜の読み合わせと呼吸合わせ。・・・というと、なんだかストイックな練習風景を想像されるかもしれませんが、" Oh! My Gosh !! " と、頭を抱えたり、もごもごと声を出して数えたり歌ったり・・。楽しい! 彼女はアフリカの打楽器を演奏する音楽家(今回の作品はアフリカの打楽器・ジャンべと筝のデュオなので、コロンビア大学の先生が彼女を紹介してくれました)。だからか、その掛け声というか、数える声がすごくかっこいい! 私も、なんか声を出してかっこよく数えて筝を弾いてみたい!と思いました。(笑) 明日は、作曲家の武智由香さんがニューヨークに到着され、一緒にリハーサルする予定。今回のコンサートのために彼女に新作を委嘱しました。 タイトルは「インドラの網」。東日本大震災への祈りをこめて、岩手の作家・宮沢賢治の詩をモチーフに書かれた作品です。かなしみと祈りと、そして慈しみ。最初の音、最初の1フレーズから胸がいっぱいになります。明日からは、南部やすかさんもドイツからニューヨークに戻り、本格的な共同作業の開始です。 コンサートのタイトル「JAPAN RISING」は、私が在籍しているコロンビア大学の中世日本研究所のバーバラ・ルーシュ教授が提案してくださいました。タイトルについて特にお話はしていませんが、たぶん、大震災のかなしみを乗り越え、復興し、さらにすばらしい未来へという希望と祈りをこめてつけてくださったのだと思っています。 こどもの頃からおもちゃがわりに遊んで楽器と接してきた私にとって、大学時代「日本」や「伝統」をいきなり背負わされた気がして、窮屈で、エキゾチズムがついてまわるのが本当に苦痛でした。 でも、今は、伝統のある楽器であることが、日本の楽器であることが、とても誇らしく思えます。そして、エキゾチズムであるかないかなんてどうでもよくて、ますます筝という楽器の魅力にひきこまれています。

まくらもと

2011-11-08T11:15:53+09:002011/11/08|

みなさんのまくらもとには何がありますか? 私のまくらもとには本が積み重なっています。活字中毒というと知的なにおいがしますが、私の場合はともかく本が無いと不安になります。本があるというだけで安心してよく眠れます。 ニューヨークに来て、古本を買っては売り、また買い・・・。 本を読んでいるときは、自分が自分であることを忘れて、違う誰かになったり、見知らぬ国にも、時代にも飛んでいけます。読みながら泣いたり笑ったり、気づかされたり。夢中になると分厚い本も一日で読んでしまいます。 そして、読み終わったあとは、夢からさめたようで、まるいちいさな太陽のようなものが心に残ります。 友達をつくることが苦手だった私にとって、本はいつも私の手をとって、知らない世界を見せてくれる友達のような存在でした。だから、不安なときも本があると落ち着いて、勇気が出て、ひとりじゃない気がするのです。 音楽はどんな存在? 本よりも躍動的で、もっと激しくて、もっと直接的なもの。本当に風が吹いてくるような、野原を自転車でかけぬけているような、嵐の雨に打たれているような、そんな「感触」のあるもの。泣きだしたら止まらないような噴き出してくるもの(笑)。 まくらもとには、あとはほんのりとしたやわらかな香りのするものがほしいですね。 一時、本番前の緊張を和らげるために、オーデコロンに凝っていたことがありました。もちろん高カロリーで即効性のあるバナナも効きますが(笑)、香りもには包まれている安心感がありますね。 たわいもないお話。 そんなわけで、どこでも眠れる私にとって、まくらもとに何があろうと関係なくいつ何どきでも眠れはするのですが、まくらもとはちょっと特別な場所なのです。 結局、必須の、ど近眼用のめがねと、読みかけの本を数冊。今はBABY用のほのかな香りがお気に入りのボディークリーム。そして、たまに、手触りが気に入っているピンクの石も。 2年前イグアスの滝の近くの宝石屋さんに日本語のすごく上手な音楽大好きな女性の店員さんがいて、ちょうどその時CDを持っていたので彼女にプレゼントしました。今年、そのお店を通りがかったら、なんと!覚えてくれていて、声をかけてくれました!CDを楽しんで聴いてくれているみたいです。感激!!!その彼女が来店する人たち全員に配っている石。私にはピンクの小さな石が当たりました。何の石かもわからないし、どこにでも転がっているようなかたちの石で、宝石にはならないものなんだろうけれど、手の中で転がしていると、妙に気持ち良くて、いとおしくて、安心するんです。そうして遊んでいるうちに、どんどんつるつるになって、味わいが出てきたように思います。 石をかわいいと思うのは変でしょうか? 大げさにいえば、まくらもとは自分だけの空みたいな、宇宙みたいなものです。 明日から一時日本に帰国します。日本でも移動移動で国内線に何度も乗ります。

I LOVE BRAZIL ③

2011-11-02T11:59:33+09:002011/11/02|

今、ニューヨークで日記を更新しているのですが、時差があってちょっとずつズレが・・。ハロウィンは10月31日でした。 ですから、この日記も2日になってしまいますが、こちらは1日。今日から11月が始まりました。 文房具を買いに近くのSTAPLESという大型文具店に。 ともかくなにもかも量が多い。まとめ買いが大前提。 今日はCD-RがSALEで10枚5ドル。よし!これにしよう!と、レジに持って行ったら10ドルと言われ、「それはおかしい!5ドルって表示があったよ!」と抗議。(はちゃめちゃな英語でも抗議できる勇気が持てるようになったことは進歩だ!と自分の成長を自分でほめる(笑)) レジの女性と一緒に棚まで確認に行ったら、「ほんとだわ・・。」。 そのあと、彼女が、向こうの方で仕事をしていたフロアのチーフに「この札ついてたけどこの値段でいいの?」とぶっきらぼうに、だけど、大きな声で問いただすと、「それは昨日までの値段だよ。もうその札ははずしておいて。」と。 ラッキーというべきか否かはともかく、ちゃんと5ドルで買えました(笑)。 すべてにおいて、言わなければ何もしてくれません・・・でも、言えば結構ちゃんと対応してくれます。 学校の授業も、みんなが理解できていようができていまいがお構いなし。 えっ!?なんて薄情な!と思うけれど、質問すればどんな小さなことでもちゃんと質問をやめるまで説明して答えてくれます。わからないことは全然恥ずかしいことじゃない。 質疑応答に、みんなすごく慣れているんですね。 日本人はことばで説明するより空気で察する・・。 どちらの感覚も持って、必要に応じてスイッチできればいいですよね。 さて、ブラジルのお話のつづきを・・・。 今回、私は、このサンパウロでのコンサートのために「蒼い森」という曲を作りました。イグアスの滝に続く熱帯雨林を上空から見たときの感動をいつか音にしたいとずっとずっと思っていたのです。イグアスの滝を見るのが目的でヘリコプターは飛ぶのですが、そこに至る森林は果てしなく広がり、呼吸し、まさに生きていて、声が聞こえてくるかのようでした。木の連なりは連続する声のように、これでもかというくらい心に何度も何度も迫ってきて、逃げる隙間を与えてくれません。私はただその繰り返しに身体がバラバラになりそうで、心はふくらんで破裂しそうでした。 その思いをすぐには曲にできなかったので、まずことばにして詩を書き、そこから音を探していきました。

I LOVE BRAZIL ②

2011-11-01T08:27:12+09:002011/11/01|

今日は、ハロウィン。 ということも忘れて、朝食のあと、セントラルパークを散歩しようと歩いていたら、変装した怪しげなこどもたちが吸い込まれるように入っていく建物が! なんだろう?と、後を追って入ってみると・・・そこは、自然史博物館。恐竜から天体、遺跡、鉱物・・・。私の大好きな博物館ではないですか!正面とは随分印象が違うので気がつかなかったけれど、こんなに私のアパートメントから近いとは! というわけで、前回はさんざん恐竜コーナーで興奮しましたが、今回は中南米の遺跡に関するもの、アフリカのさまざまな民族の生活、歴史・・・に大興奮。(メトロポリタン美術館でも、夢中になるのは、人の少ないミクロネシア地域の展示コーナー。) そのほかに今回は鉱物の展示にも見入ってしまいました。宝石類は身につけないし、よくわからないけれど、石には神秘を感じます。 さて、サンパウロでの本番。 みなさん、あでやかな着物姿。 幕が上がる前に、すべての筝の調弦を確認。舞台の上はクーラーがきかなくて、全員すでに汗だく。 「楽しく弾きましょう!それが一番大事!」と、みんなでにっこり。最初のテンポも確認して、さあ、幕が上がりました! 満員のお客さま。演奏者は筝が私を含め15名、尺八は5名。ひとりひとりの名前が紹介され、拍手の中、演奏スタート。 全員の気持ちがひとつになって、さらにお客さんとも一体になって、とてもいい気持ち。楽しい! 当日たった1回の短いリハーサルでここまで演奏できるなんて、みなさんそれぞれがこの瞬間をめざして一生懸命練習されたのだと思いました。 幸せをかみしめながら、演奏は終了。 大きな拍手の波。 みんなの笑顔。 聴いてくださった方が、「すごく感動した!」とあとから言ってくださいました。 日本から一番遠い国。地球の反対側にある国。

I LOVE BRAZIL ①

2011-10-31T12:31:39+09:002011/10/31|

サンパウロでのコンサートを終えてニューヨークに戻ってきました。 戻ってきた途端にニューヨークは雪。 ブラジルに行くと不思議に元気が湧いてきます。食欲は旺盛になり、そして、なによりここには日本人の美しさや誇りが今も生きていて、日本で生活している私たちにそれを思い出させ、取り戻させてくれるのです。 移民として渡ってきた人たちの想像を絶する苦難と切り拓かれ築かれてきた歴史。それを支えていた日本への思いと日本人としての誇り。 ここに来れば誰もがその熱に心を動かされることでしょう。 ブラジルに行くのは3回め。したがってコンサートも今年は3回め。 昨年は、筝のワークショップをして、そこに参加してくださった方々との共演を今年は実現していただきました。曲は、沢井忠夫作曲「黒田節による幻想曲」。 さまざまな流派混合のアンサンブル。コンサートの約1カ月前に曲を決め、楽譜をニューヨークからブラジルへ送ろうと思ったら、ブラジルはストで郵便は1週間ストップしたまま。和歌山にいる生徒さんに楽譜をスキャンしてデータで送ってもらって確認し、それを今度はブラジルに転送。最初は参加してくださる方がいらっしゃるかな・・・と心配しいましたが、どんどん増えて結局は残念ながら舞台の関係で参加者を制限せざるをえなくなりました。 そんなにたくさんの方々が参加を希望してくださったなんて!!!うれしくてうれしくて大感激! サンパウロに着いたのは本番前日の夜。空港に降り立った瞬間に生命力あふれる熱気が包んでくれます。楽器も、日本チームとお迎えに来てくださったサンパウロの方々に大切に大切に扱っていただき、感謝の気持ちでいっぱいでした。 本番の日は、朝からリハーサル。初めての合わせ。 わあ!昨年ワークショップでお会いしましたね!と、感激の対面! リハーサルは3時間足らず。みるみる演奏はまとまり、お昼はみんなでお弁当。これがまた楽しくて・・・。 私はそのあと、ソロの曲のリハーサル。 今回は私の新作を発表しました。タイトルは「蒼い森」。 初めてブラジルに来たときにヘリコプターで上空からイグアスの滝を見せていただきました。イグアスの滝はもちろんダイナミックでしたが、そこに至るまでに延々と続く熱帯雨林にただもうことばを失い、全身が震えました。そして、いつかこの森を音にして表現してみたいとずっと思っていました。 サンパウロで初演できることを光栄に思いながら、同時にあの大自然に到底追いつかない自分の作品がこの地に住む人たちに受け入れてもらえるだろうかという不安も・・・。

はじめます!

2011-10-21T14:10:25+09:002011/10/21|

ずっと更新を怠り、復活しては、途切れ・・・ずっと読んでくださっていた方々には本当に申し訳ありませんでした! この日記を発見してくださる方がいらっしゃるかな・・・? 一昨年は、ハンガリーとドイツでソロコンサートツアー、去年は、上海万博で公演、そのあと、秋から冬にかけて、ニューヨークでコロンビア大学の客員研究員として生活しました。 実は、今もニューヨークでこの文章を書いています。 今年は、新しいCDをリリースしました!上海万博で初演した自作曲「月夜の海」をタイトルにしたアルバムです。アマゾンでもそろそろご購入していただけると思います。 「ファンタスマ」以来9年の活動をまとめたものになりました。 情報など整い次第アップしますので、どうぞよろしくお願いします。 まもなくブラジル公演があります。 ブラジルは3回目。現地の方々との交流も深まり今回は共演の夢も叶い、また私の新作も発表します。ブラジルに行くとエネルギーをいっぱいいただきます! またここでご報告したいと思います。 写真も復活させたいな・・。 ニューヨークも木々が黄色く色づきはじめ、足元を落葉が舞っています。 朝、道で大きな袋を持った人たちが落葉を集めています。 寒いのは大の苦手・・。 ニューヨークの街は、これからさらに寒く、そして、にぎやかになっていきます。 今度こそ復活して、ゆるゆると長く続けていきたいと思います! どうかみなさま、お風邪にはお気をつけくださいね。

花冷えの夜に

2010-04-13T17:26:36+09:002010/04/13|

昨日は鎌倉まつり。 今年も、「静の舞」の地方のひとりとして、奉納演奏させていただきました。 うれしいお知らせ。うれしいきざし。 3月10日に暴風のために倒れた大銀杏の木に新しい命が宿りました。きみどりいろのつるつるのかわいらしい新芽が、まるであかちゃんのように空に向かって手を伸ばしていました。 みんなの祈りが通じたのですね。 木のまわりにはたくさんの人が集まっていて、新芽が出たことを喜び、これから無事に育っていくようにと祈っていました。 千年近く、ここでさまざまな人々を見て、生活を見て、歴史を見てきたご神木。 そして生まれた新しい芽が金色の葉を鈴のように揺らす大木になるのはこれからまた千年近くの月日を必要とします。当然私も、すべての人々もこの世を去り、どんな社会になって、人々はどうなっているのでしょうね。 平安時代の人たちから現代の生活は想像もつかなかったでしょうけれど、同じように呼吸をして、同じ身体を持った人間であることは変わりません。 でも、これから先は、自分と同じコピー人間だって生まれてくる可能性があるし、月や他の星に住んでいることだってあり得るし、飛行機は宇宙を往来しているかもしれません。 逆に人類が滅びている可能性もあります。 親子の関係はどうなっている?学校なんてあるのかな? ことばもきっと変化しているでしょう?だったらコミュニケーションだって、社会の仕組みも変わってるはず。 お金なんて無くなってすべてカード?鉛筆はなくなる?紙は?寿命はもっと延びてる? 整形技術が進んで年をとっても皺はない? でも、眠る?食べる?見る?聞く? でも、それも頭で想像すれば満足するようになる?

和歌山・有田川町コンサートご報告

2009-02-05T23:23:12+09:002009/02/05|

遅れ遅れの日記なので、なんだかいろいろと前後して、混乱させてしまってごめんなさい!1月18日の和歌山・有田川町でのコンサートについてのお話を少しさせてください。昨年に引き続き今年も和歌山の有田川町・きびドームで藤原道山さん・伊藤志野さんとのコンサートがありました。古典から現代曲、大塚茜さんの新作初演、お客さまも一緒に歌う日本の歌、クラシックのアレンジ、それぞれのソロ曲・・・というプログラムで、そこにはあらゆる角度から邦楽の魅力を味わっていただけるようにという出演者・スタッフの願いがこめられています。有田川町と「えん」という邦楽団体の代表・伊藤和子さんとの協力のもとに開かれた演奏会。伊藤和子さんは、私と藤原さんの共演をかれこれ10年あまり前(たぶん・・・)にご自分の主催されている全国学生邦楽フェスティバルで実現してくださいました。「あの時の「筦絃秘抄」(肥後一郎作曲)の演奏が今もはっきりと記憶に残っています。」と、こんなに年月を経ても言ってくださる方がいます。とてもうれしいです。技巧的にも非常に難しく、あの頃どんな演奏をしていたのかしら・・・と少し恥ずかしい気持ちもしますが、その頃はきっとがむしゃらに弾いていたのでしょう。相当怖い演奏だったかもしれません・・・笑伊藤和子さんは今も変わることなく邦楽を愛し、広めることに徹して学生や若い演奏家を応援していらっしゃいます。今年の夏・8月には久しぶりにその全国学生邦楽フェスティバルで演奏諸々させていただく予定です。どうか全国の邦楽ファンのみなさま、そしてご興味のある方、どしどし参加してくださいませ!詳しくはまたご案内しますが、若い方たちのフレッシュなエネルギーに満ちた楽しいイベントであることはまちがいありません。そして、藤原道山さんは今や邦楽界のスターです(この言い方って古いですか?)。人気実力共にすばらしく、いろんなシーンで大活躍されていて、私があえて言うまでもなくきっとみなさんよくご存知ですね!伊藤志野さんは、京都の古典の演奏家。幼少の頃から修行し続け、その伝承者として大きな期待を担っています。古典が大好きでとても研究熱心!大塚茜さんは20代のフレッシュで情熱的、且つ、チャーミングな女性作曲家。彼女の曲は、自然と音楽と生きること、そんなことを感じさせてくれる音楽です。そんなチームで作った音楽会でした。お正月ということもあって、お着物でご来場の方にはプレゼントがあり、休憩時間に行われたじゃんけんで勝ち残った方にはお年玉(色紙ですが・・・)が配られました。プログラムとしてはかなりハードなものでしたが、一年の初めを引き締まった気持ちで迎えることができ、和歌山県の静かな山の中のちいさなホールということもあって和気藹々とした暖かい雰囲気に包まれました。和歌山市からもかなり時間のかかるところでしたが、京都や大阪からのお客さまもいらしてくださっていて、本当にありがとうございました。これは余談ですが・・・この日、会場に向かう早朝、何事もいつもぎりぎりの私が珍しく和歌山駅に早く到着。時間が余ってカフェでコーヒーなどゆっくりいただき、駅のホームでのんびり電車を待っていて、はたと気づいたら大事なハンドバッグが無いっ!ええーーーーっ!!!ど、どうしよう!!!そうだ!あのカフェに違いない!発車まであと5分!駅員さんに有無を言わさず全速力で改札を突破し、カフェに飛び込むとそこにはバッグが待っていてくれました(涙)ああ、よかったぁ~。と思って喜んでいる間もなく、店員さんに、ありがとうございました。とお礼を言って、嵐のように現れて去って行く私に呆気にとられながら「よかったなあ」と言ってくれている他のお客さんの声を背に、またまた全速力で改札突破!走るのは誰よりも遅いのに、このときだけは階段もスイスイ降りて上ってホームにたどりついたら、電車が入ってきてすぐに発車。なんと!やればできるじゃん!・・・というか、これに乗り遅れると一時間電車が無いですからね・・・というか、何より貴重品の入ったバッグがあってよかった・・・というか、新年からいきなりのこのドジぶり・・・まあ、コンサートはつつがなく楽しく終わったのですから、ね。万々歳!\(^o^)/そしてこの後、私はオーストリア・ウィーンを経由して、スイス・ダボスに向かいました。その旅のお話は次回に。・・・実はもう書き始めているのですが、あまりに長すぎて一日で読んでいただくには忍びなく今日はこのへんで。もう一度ゆっくり見直してアップしますので楽しみにお待ちくださいね。

節分のメモ

2009-02-03T23:21:55+09:002009/02/03|

季節の変わる夜には、何か、たとえば、風が渦を巻くとか、空の雲がある時刻を境目に互い違いに動き出すとか、冬が春に何か秘密のバトンを渡すような瞬間があるかもしれないと思って、落ち着かなくて、窓の外を眺めてみたりします。もしかしたら、おつきさまが一瞬の隙をついてぐるっと一回転するかもしれない。などと想像してひとりでおかしいなと笑ってみたり・・・。そういえば、夜が更けていくときと明けていくときの瞬間って?何かが交差する瞬間、その一瞬に生まれるものを目撃したい好奇心。お昼に今年初めて梅の花に出会いました。近づいて、そっと、こぼれた匂いを感じてみればよかった・・・と、ちょっと後悔。風はなく、静かな夜。ありきたりの夜。木がわずかにくすくすと笑っているように揺れています。ざわざわとではなく、くすくすと。春になるとどうしてこんなに心が動いて、飛び出しそうになるのだろう・・ただただ走って駈けてゆきたいという衝動。何かが待っている。そんな期待と不安と。

久しぶりに。

2006-06-04T23:20:31+09:002006/06/04|

すごく久しぶりの更新になってしまいました。もうすぐ梅雨。雨が続くと憂鬱な気分になりますが、雨の雫の透きとおった珠が紫陽花の葉っぱの上ではじかれてぷるぷる揺れている様子や、その重みでうなだれている花の姿には心魅かれます。鎌倉に引越して今月でちょうど2年になります。読書と散歩の時間が増え、「生活」ということを考えるようになりました。東京で24時間営業みたいな生活をしていましたから、夜の時間も夜でなく、へたをすると昼夜がひっくり返って朝はなかったような生活でした。今は朝、目が覚めると窓を開けて光や風を通し、空を見上げ、お天気を視ることから一日が始まります。この季節は朝は早くからウグイスの鳴き声がして、夜はカエルの大合唱。太陽と月が入れ替わっていく様子も観察できます。「生活」・・・・生きるための活動。生きるという活動。日暮らし。生活は仕事に付随するものという感覚から生活の一部に仕事があるという感覚に変わったのはおおきな変化でした。そして何より、音楽が仕事から生活の領域にこれもまた同時に引越していったのかもしれません。毎日演奏会という目的がなくても何か曲を弾き、音を出します。今日の音、今日の演奏。もう二度と出会えない音、たったいちどきりの音。そのわずかなちがい、かすかな変化に耳を傾けるのは、朝、空を見るのに似ています。音を操ろうとするのではなく。。。昨年秋からの活動報告は追々ゆっくりと丁寧にやって行きます。そして、face→letterというシリーズになったことについても。。。ようやくエンジンがかかりました!まずは6月10日(土)北鎌倉でのちいさなコンサートから私自身の活動も少しずつ再開していきたいと思っています。そして文章もまたここに少しずつかいていきたいと思っています。写真とともに。

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