サンパウロでのコンサートを終えてニューヨークに戻ってきました。
戻ってきた途端にニューヨークは雪。
ブラジルに行くと不思議に元気が湧いてきます。食欲は旺盛になり、そして、なによりここには日本人の美しさや誇りが今も生きていて、日本で生活している私たちにそれを思い出させ、取り戻させてくれるのです。
移民として渡ってきた人たちの想像を絶する苦難と切り拓かれ築かれてきた歴史。それを支えていた日本への思いと日本人としての誇り。
ここに来れば誰もがその熱に心を動かされることでしょう。
ブラジルに行くのは3回め。したがってコンサートも今年は3回め。
昨年は、筝のワークショップをして、そこに参加してくださった方々との共演を今年は実現していただきました。曲は、沢井忠夫作曲「黒田節による幻想曲」。
さまざまな流派混合のアンサンブル。コンサートの約1カ月前に曲を決め、楽譜をニューヨークからブラジルへ送ろうと思ったら、ブラジルはストで郵便は1週間ストップしたまま。和歌山にいる生徒さんに楽譜をスキャンしてデータで送ってもらって確認し、それを今度はブラジルに転送。最初は参加してくださる方がいらっしゃるかな・・・と心配しいましたが、どんどん増えて結局は残念ながら舞台の関係で参加者を制限せざるをえなくなりました。
そんなにたくさんの方々が参加を希望してくださったなんて!!!うれしくてうれしくて大感激!
サンパウロに着いたのは本番前日の夜。空港に降り立った瞬間に生命力あふれる熱気が包んでくれます。楽器も、日本チームとお迎えに来てくださったサンパウロの方々に大切に大切に扱っていただき、感謝の気持ちでいっぱいでした。
本番の日は、朝からリハーサル。初めての合わせ。
わあ!昨年ワークショップでお会いしましたね!と、感激の対面!
リハーサルは3時間足らず。みるみる演奏はまとまり、お昼はみんなでお弁当。これがまた楽しくて・・・。
私はそのあと、ソロの曲のリハーサル。
今回は私の新作を発表しました。タイトルは「蒼い森」。
初めてブラジルに来たときにヘリコプターで上空からイグアスの滝を見せていただきました。イグアスの滝はもちろんダイナミックでしたが、そこに至るまでに延々と続く熱帯雨林にただもうことばを失い、全身が震えました。そして、いつかこの森を音にして表現してみたいとずっと思っていました。
サンパウロで初演できることを光栄に思いながら、同時にあの大自然に到底追いつかない自分の作品がこの地に住む人たちに受け入れてもらえるだろうかという不安も・・・。
さて、みなさんもお着物に着替えて、私もリハーサルを終え、準備をしていざ本番です!
つづく