気がつけば今日で8月は終わり、明日からは9月!バタバタしているうちにリサイタルまであと1ヶ月となりました。
練習や曲作り、リサイタルの準備に忙しくすごす日々の中で教室の生徒さんや桐蔭高校箏曲部の高校生たちとすごす時間は至福の時です。ニューヨークのコロンビア大学の客員研究員になった2010年までの24年間月に一度の和歌山レッスンを休んだことは一度もありませんでした。皆勤賞!(笑)
8月は毎年教室のおさらい会を和歌山で開いています。今年も8月7日に行いました。いつも司会原稿はすべて私が作成します。曲目紹介とともに曲に対する思いや一年であったできごと、その人の個性などをまとめた文章です。それがあって、お客様も徐々に固定ファンとなってくださり、教室生の方のことをひとりひとり覚えてくださっていたりして、会場はとても和やかでいい雰囲気です。
私にとって教室の方はみんな家族だと思っています。年に1回おさらい会のために結成されるこども音楽隊は幼稚園から小学生のこどもたち、そして最高齢の方は80代。箏の上では先生だけれど、箏を離れれば人生の先輩だったり、同年代の女子仲間だったり、若い後輩だったり、かわいいこどもだったり・・・。大家族ですね。
10年、20年、30年と一緒にすごす間にはもちろんすばらしく幸せなこともあるし、つらいできごともあるけれど、箏の合奏をするときは年齢の壁もなく、ただただ楽しい!休憩時間にはお菓子を持ち寄りワイワイガヤガヤ。みんな笑顔になります!
一緒に年齢を重ね、生きていける仲間がいることは幸せであり、支えです。
おさらい会は準備も練習も大変、緊張もするし体力も要るけれど、みんなにとって元気の素なのです。打ち上げは充実感いっぱいで最高の気分ですよ!
リサイタルではそんなみなさんと一緒に「久遠の大地」を演奏します。
ブラジルに初めて行ったときに感じたのは「なつかしい日本」。移民として渡られてご苦労された日系の方々のあたたかさと凛とした生き方に尊敬と感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。今年もリサイタルが終わって11月にまたブラジルに行く予定です。なんと!私の30周年の記念リサイタルを開催する計画をしてくださっています!(感激!)
想像を絶する苦しい生活の中で、地球の反対側にある遠い遠い故郷を思って爪弾かれた箏。
ヘリコプターから見たアマゾンの森はどこまでもどこまでも蒼く、白い息を吐いて呼吸していました。
そして、あらゆるものを許容して気高くたくましく生きる朗らかな人たち。
ここで出会った方々と一緒に演奏したい。この思いを曲にしてほしい。という気持ちで2012年江戸信吾さんに委嘱しました。初演はサンパウロで。
私は箏を時々抱き締めます。そうするとすごく安心するんです。きっとリサイタルの前日も、本番前もそうやって箏を抱きしめていると思います。
大好きな人たちと大好きな箏を弾き、大好きな人たちに聴いていただける!その幸せをかみしめながら、あと1ヶ月精一杯力を尽くします!