前回予告していた海外公演・インド編をほぼ書き上げたのですが、インドの感染状況が深刻さを増していく中でどうしてもアップする気持ちになれず、ごめんなさい、延期します。

今はただ状況が改善されることをひたすら祈っています。

そして、日本も再び状況が悪化。ワクチンが行き渡って安心できる日を心待ちにしています。

 

新緑の季節がやってきて、街路樹や庭の木には新芽がいっぱい出ていてつやつや。露玉が葉っぱの上に弾けそうに膨らんでぷっくり宿っていたりすると、ちょんとつついて転がしてみます。ぽろぽろぽろと土の上にこぼれ落ちると、音も一緒に飛び出してきそうです。

私は、今年の連休も録音や打合せ以外は東京の家で読書や掃除などをして静かに過ごしておりました。

 

最近読んだ本は、

スタインベック「ハツカネズミと人間」。もう嗚咽が出るほど泣きました。今思い出しても胸が潰れそうです。

ヘミングウェイ「老人と海」。こちらは、釣りをしたことがないのでわかりにくいこともたくさんありましたが、それでも手に汗握る展開に引き込まれて最後まで一気に読んでしまいました。

今は、サマセット・モーム「月と六ペンス」と折口信夫「古代研究」を読み始めたばかり。

あとは絵本やトルコのむかしばなしをぱらぱらと・・・。

大好きな旅行ができない今、私にとって本は時空を超えていろんな世界に連れて行ってくれる素敵な乗り物のような存在です。

 

そして、日本手ぬぐいで布巾を数枚作りました。日本手ぬぐいに使われている晒木綿の肌触りは本当に気持ちがよくて、洗ってもすぐ乾くし、まるできっぷのいい江戸っ子のさばけたおかみさんみたい!(喩えが私流ですみません!笑)手ぬぐいは色とりどりの楽しい模様で染め上げられていて心が浮き立ちます。

晒に刺し子刺繍をして布巾を作るのも好きです。刺し子をすることによって布が強くなるだけでなく伝統的な柄も色の組み合わせによっては印象が変わってすごくモダンになります!

窓ぎわに小さな物干し台に置いて、布巾たちを並べて干し、時折吹いてくるそよ風に揺れている様子をじっと眺めているだけでもうご機嫌です。

お気に入りの器に、おかず(たとえ粗食でも!)をきれいに盛りつけてゆっくりいただき、その後に食器を手で洗い、自作の布巾で時間をかけて磨き片づける時間はなんとも幸せ。

丁寧に時間をかけると「いとおしい」気持ちが増してきて、それが「やすらぎ」になっていくのですよね。

 

GWが開けて、コンクール目前の桐蔭高校箏曲部にレッスンに行ってきました。グラウンドからは運動部のかけ声や野球の金属バットの打音が響いてきて、校庭では吹奏楽部がロングトーンの練習をしています。部室のある同窓会館の1階からはかるた部が大会に向けて練習中。百人一首を読み上げる声が聞こえてきます。そして、階段を上がって2階の和室に入ると部員のみんなが準備万端整えて、元気に挨拶してくれます。

これもまた幸せな、清々しい瞬間です。35年経った今も毎回爽やかな気持ちに包まれます。

今年の我が校の演奏曲は、2003年私の長年の友人・竹澤悦子さんに桐蔭高校箏曲部が委嘱し作曲してもらった「LIFE」です。

 

LIFEっていろんな意味があるんですね。

生命、生物、一生、生活、寿命…

こんなにたくさんの意味を一つのことばで言い表すということは、英語を使う人たちにとって生命も生物も一生も生活も寿命も同じものということなのだろうか?(単純すぎる解釈!笑)

「生きる」という大木から生まれた生命、生物、一生、生活、寿命ということばたち。ことばってほんとに葉っぱみたいだ。と妙に納得し、換気中の我が家には初夏の涼しい風が通り抜けていきます。

小さな幸せを少しずつゆっくりと積み重ねていこう。

慌てるのはもったいないね!

See you soon!