『西陽子 plays 箏百景』レポートは続きます。

「上弦の曲」が終わると、金屏風・緋毛氈の舞台から、パーカッショニスト・大家一将さんのパーカッションソロ、そして、十七絃デュオとパーカッションで2cellosの『kagemusha』、十七絃カルテットと尺八とパーカッションによるマイケルジャクソンの『Smooth Criminal』のクールな(自画自賛?笑)舞台へ。

 

大家さんの華麗で躍動感あふれるソロは、会場の空気を一気に動かしました。

スネアドラムたった一つで聴く人の心を釘づけに!

 

そして、いよいよ十七絃の登場!

 

私は十七絃の音が大好き。

深くて、温かみがあって、パンチがあって(この言葉は最近あまり使われないかな?と思って調べたら、関西ではよく使われるらしいです。要するに、エッジが効いてるとかインパクトがあるという意味ですが・・・んー。やっぱり昭和生まれとしては『パンチ』がしっくりきます。笑)カッコイイ。

アレンジしてよかった曲は、ほとんど原曲を聴いた瞬間に「これはイケる!」という直感が働き、さらに、アレンジしてみるとチューニングがピタリと17(箏なら13)個の音に収まります。これはもう偶然とは思えないミラクルなのです!その時の「きたー!」という気分はもう最高!!!

『kagemusha』は2019年のきのくに音楽祭で初演。客席からは「おー!」という声が上がり、今回もどなたかが「すごい!」と言ってくださったのが聞こえました。3分弱の曲ですが、十七絃のいろんな要素を盛り込んでアレンジしました。

『Smooth Criminal』は今回初演。重低音カルテット(江原優美香さん、植野由美子さん、中西裕子さん、そして、私)に辻本さんの尺八と大家さんのパーカッションが加わりました。辻本さんはこの曲をレコーディングされたり動画配信されたりして世界から注目されました。今回はアンサンブルをリードしてキレのいい演奏にしてくださいました。

こちらも大いに盛り上がり、第一部のフィナーレを華やかに飾ることができました。この2曲はもっともっといろんなところで演奏したいですね。

ともかく楽しいんです!!!

もちろんそれは原曲が素晴らしいからですが。

 

私はロックミュージックに詳しいわけではありません。むしろよく知らないと思います。だけど、ロックの中には悲しみがあり、怒りがあり、孤独があり、優しさがあるような気がするのです。圧倒するような激しさの中にある脆く崩れそうな繊細さ。生きることの矛盾を感じながらも突き進もうとする純粋な生命の叫び。枠の中に収まりきらないで荒れ狂い、溢れてしまい、はみ出てしまうのは思いだけではなく、生き方そのもの。

私は心を揺さぶられ、共振します。

十七絃はこの複雑で激しい思いを受け止めてくれるのです。

 

どこからでもかかっておいで。

僕はどんな話も聞いてあげる。

僕はいつでも受け止めてあげる。

 

って、あの分厚いボディーが言ってくれているような気がするのです。

Rock×Bass koto 継続したいですね!

ここで15分の休憩があり、いよいよ後半第2部へ。

↓ 辻本さんを待つSmooth Criminal の演奏メンバー 楽しそう!

 

See you soon!