水天宮から人形町のあたりには提灯が並び、仄かな灯りが列をなしています。
今日でお正月のお飾りの露店は閉店。
明日はいよいよ大晦日です。
さて、今年は和歌山で国民文化祭「紀の国わかやま文化祭2021」が開催されました。私は開会式と、和歌山城西の丸広場で行われた「和歌山城 光と音の饗宴」、そして、田辺市紀南文化会館で行われた「全国邦楽合奏フェスティバルin田辺」に出演させていただきました。
国民文化祭は国主催の大きなイベント。23日間にわたって繰り広げられるイベントのオープニングを飾る開会式は、中でも特に華やかなものであり、約1年半をかけて制作され、当日は天皇皇后両陛下がご臨席されました(コロナ禍のためオンラインでのご臨席となりました)。
私は企画段階から関わらせていただき、今回は演奏だけでなく作曲と編曲も担当しました。
「山青し 海青し 文化は輝く」というキャッチフレーズで、私が出演したのは「海青し」のシーン。
山部赤人にも謳われた穏やかな干潟の海・和歌浦、そして、激しい黒潮洗う聖地・熊野の海の映像を背景に、きのくに音楽祭2019をきっかけに出会ったメンバー、三味線・木乃下真市さん、尺八・辻本好美さん、パーカッション・大家一将さん、ピアノ・上野山英里さん、そして私の5人の演奏家(『KEY TRAD.』というバンドとして、また皆さんに演奏を聴いていただけたらと思っています!)に現役の桐蔭高校箏曲部員(OG2名)も加わり、さらに子ガラスたちがその音楽に乗って華麗なダンスパフォーマンスを繰り広げました。
私が作りアレンジした作品が実際に音になり、その音楽に振付がなされ、さらに広い舞台にはドローンで撮影された映像が半球面の大画面に映し出され、一生懸命練習を重ねた子供たちが踊り、私自身も演奏で加わる・・・・この感動はもう叫びたいくらい(笑)大きなものでした!
そして、何と言ってもこれだけ大きな舞台に関わるスタッフの皆さんのパワーは凄かった!!!全体の時間は厳密に決まっており、映像や照明・音響とのタイミングがあるため舞台転換は秒単位で制限されています。緋毛氈を敷き、高校生チームの箏14面を並べ、私のために立奏で箏と十七絃をセッティング。転換時間のリミットは1分30秒。リハーサルを重ね、毎回ミーティングで見直しし、改善し、最初は不可能とも思えたこのタイムが本番ではさらに短縮されていたのですから、本当に凄すぎます!
スーパーイリュージョンの世界でした!
本番、スタッフも演奏者も少しのミスもできない状況の中で、みんなの一体感はピークに達し、熱を帯びたパフォーマンスに大きな拍手が送られた瞬間に喜びが溢れました!
まさにこれぞ「文化祭」!
大変だったけど(だったからこそ?)すごく楽しかった!!!
NHKで放映されたこともあり(全国ではダイジェスト版)、いろんな方々から感動したよー。和歌山を誇りに思えた。などなどメッセージをいただき、本当に嬉しかったです。
制作のプロの方々の仕事を現場で間近に見ることができ、一部でも関われたことは私にとって本当に貴重な体験でした。
時間をかけて磨きをかけて行くことの大切さと素晴らしさを改めて学びました。
そして、演奏だけでなく私の作曲した作品を使っていただけたことに背中を押されたような気がしました。
今年は、自分の時間のかなりの部分を作曲に注ぎました。
私のコンサートシリーズとして今年スタートさせた『poetic』『Koto Cross Composing Project 西陽子 海界をうたう』そして、紀の国わかやま文化祭開会式で新作を発表、アレンジも同じく開会式と『西陽子 plays 箏百景』で発表しました。
手探りではありますが、アンサンブルの作品も少しずつ作り始めました。
そんな中、なんと!このタイミングで作曲の委嘱をいただきました!
全く邦楽とは関係のないプロジェクトからいただいた降って湧いたようなお話。(今からドキドキしています。)
来年も新たな冒険の旅へ!
See you soon!