今年も残すところあと30分となりました。
さあ!ご報告したかったコンサートはあとひとつ。日本橋浜町にあるHama Houseでのミニライブ『はじめての箏』について。
素敵なカフェで、10人余りのお客様。お箏のことを知らない方に楽しみながら知ってもらおうという企画。京都の一保堂茶舗さんとのコラボレーションで作られたオリジナルのデザート付き。
今回は、新しい試みとして、クッキング番組方式で。柱を立てるところからチューニングまで本来なら舞台裏で行われることも全部公開して、演奏に入りました。
本が天井まで高々と並べられたブックカフェ。本が好きで入ってみたのだけれど、ここで弾いてみたい!という衝動から、いきなりオーナーさんに演奏させてもらえませんか。と突撃営業!実現していただきました!
お箏が好きになってもらえていたらいいなあ・・。
ここからは、こぼれ話というか余談というか・・・実は、というか、懺悔というか(笑)
●12月12日の『西陽子 plays 箏百景』の本番直前、着物に関するあるものを忘れてしまい、周りのみんなを大騒ぎさせてしまいました。ただでさえ調弦や準備で忙しいkotonosのメンバーに近くの呉服屋さんに走ってもらい、あれこれ工夫してもらい、無事何事もなかったかのように(笑)舞台に立つことができました。20代の頃、ホテルのレセプションで生演奏するアルバイトをしていましたが、忘れ物をすると助け合いをしました。誰かが帯を忘れた時、きれいな和柄の油箪(ゆたん・箏を包む布)を帯に見立ててみんなで工夫して締めました。お客様にもホテルのスタッフさんにも誰にも気づかれませんでした。どんな時も知恵を出し合えばなんとかなるもんですね!というか、忘れ物してお騒がせしてごめんなさい!
●10月31日の『和歌山城 光と音の饗宴』は午後8時過ぎからのコンサートでしたが、夜露がすごくて箏柱が箏に貼りついてピクリともせず、こんな時に限って転調(柱を動かして音程を変える)の多い曲を選んでいて、大変でした。野外だったので、楽譜が風で飛ぶことばかり心配していましたが、その心配は全くなく、むしろ楽譜はしっとりしてよれよれになってしまい、ページがめくれない・・という状況。演奏が全て終わった後は楽器も水分を含んで重くなっていました。和歌山城を背景に照明は華やかで、とても素敵なステージでしたが、実は真っ青になりながら演奏していました。ラテンメドレーでは踊ってくれていた方もいたとか?楽しんでもらえてよかった!!!!
夜に野外演奏をする方、ご注意あれ!
2018年に母が旅立ち、2019年に父が旅立ち、2020年にはコロナパンデミックが発生しました。演奏することが辛い時期もありました。
そして、2016年に東京でリサイタルをして以来ほぼストップしていた活動を再開させたのが今年・2021年でした。今年はまた、お弟子さんたちの中でご家族のご病気やご逝去など悲しいことが多かった一年でもありました。
今でもやはり年末年始は特に家族の思い出が多く、寂しさや悲しみが消えることはありませんが、両親への尊敬と感謝の念は増すばかりです。
コンサートをすれば両親にも聴いてもらいたかったなあ。と思い、一緒に話がしたい。と思います。そんな時は、寂しくて悲しくて泣いてしまうけれど、もし生きていたらこんな時なんて言うだろう?何を一番望んで、喜んでくれるだろう?と想像します。
まずは、健康であること。そして、幸せであること。だろうと思います。
さらに私の音楽を聴いて喜んでくださる方がいたなら両親もどんなに喜んでくれるだろうと思うのです。
来年は私の教室のおさらい会が記念すべき30回を迎えます。例年は和歌山県立図書館きのくに志学館のメディアアートホールで開催していますが、今年は先日私が演奏した和歌山城ホールにて盛大に、記念企画をもって開催いたします。そして、同時に東京の日本橋公会堂でも開催いたします。
この二つの大きなコンサートが私にとって来年の柱となるメインイベントです。私は教室の皆さんを大家族だと思っています。いつも支えてもらい、助けてもらい、励ましてもらっています。
そして、私は、箏を通して皆さんの生活や人生を元気に楽しく幸せにしたいと思っています。その割には、いつも課題がヘビーですが(笑)。
おさらい会は演奏以外に全ての人が係の仕事を担当しており、みんなで制作してきました。それぞれが手を尽くし責任を持ち、信頼し合って、コロナ禍にあっても知恵を出し合い、客席数は減らしたものの演奏会を中断することはありませんでした。この信頼関係は私たち教室生の間だけでなく、お客様とも共有することができ、それがそこにいる全ての人々に静かな感動を与えてくれました。
年齢を重ねたことで得られる経験からの知恵、若いからこそ生まれる新たなアイデアをみんなで持ち寄って作る演奏会。この姿勢はずっと変わりません。
アイドルさながら年齢に関係なくそれぞれのお弟子さんにそれぞれのファンの方がついている我が教室。自慢の教室です!
Our Koto class is our home!
私自身は、スタートさせたコンサートシリーズを継続し、作曲に関わる時間を増やしていきたいと思っています。
ここ10年くらいはソロ活動がほとんどでしたが、今年はチームでの舞台が多く、そこから生まれたたくさんの感動を思い返し、大晦日の今日、あらためてかみしめています。
一人で抱えていては大変なことも、仲間と分かち合えば、笑顔で乗り越えていける!そう思わせていただいた1年でした。
一緒に舞台を作ってくださった方々、応援し支えてくださった方々、そして、このHPを訪ねてきてくださる皆さん、本当にありがとうございました。
演奏も、音楽も、生活も、人生も、全身全霊をかけて
時代も、境界線も、自分も、超えていこう
涙をいっぱい流して
笑いの種をいっぱい見つけて
来年もどうぞよろしくお願いします。
どこかでお目にかかれる日を楽しみにしています!
健やかに。お幸せに。
良いお年をお迎えください。
See you soon!