いよいよ、ここから教室生によるコンサートです。

少しずつ新しいことを取り入れながら変化していくのが我が教室の流儀。今回は30周年ということもあって、かなりリニューアル。新しいことにチャレンジしました。

 

その中の一つは大合奏。

オープニングの『六段』そして、第一部の最初の曲『黒田節による幻想曲』、第一部の終曲『石橋』、フィナーレの『世界の民謡メドレー』の4曲はどれも大合奏。

『黒田節による幻想曲』は全員。『石橋』は古典を習っている人全員。『六段』『世界の民謡メドレー』はほぼ全員。

今回は新しくて大きなホール。これはチャンジするしかないでしょ!というわけで4月から和歌山と東京で合奏練習を重ねてきました。前日のリハーサルでは和歌山教室と東京教室が合体!

「わあ、久しぶり。」「元気だった?」という会話もちらほら、賑やかに合奏を楽しみました。

 

衣装を楽しむのも我が教室のチャームポイント。

『六段』と『黒田節による幻想曲』は訪問着など柄物の着物。25面の箏と着物が織りなす舞台はなんとも華やか!絢爛豪華です。

『石橋』は色無地。金屏風に緋毛氈。箏は前、三味線は後ろに組んだ平台の上で演奏。私は、長唄の舞台を見るたび、ああ、なんて素敵!なんてカッコイイ!と憧れており、いつか教室でこの舞台セットを実現したいと思い続けてきました。今回実現!!!

『世界の民謡メドレー』は、お祭りのフィナーレですからはじけましょう!というわけで、民族衣装もどき?の衣装で演奏。みんな、マスカレード(仮装パーティー)ならぬ普段ではあり得ない衣装で大変身!演奏前には幕前で俄かファッションショーをしました。

どんどんはじけ方が大胆になって、派手になって、いつの間にか私たちの教室の名物企画になりました。

お客様にも大好評で、一緒に参加したいという方続出!^ ^

 

メンバーそれぞれが主役のプログラムは、70代のトリオ「スーパーマダム」の演奏に始まり、ついこの間まで初心者だったデュオ「ことひよ」さんから演奏家として活躍している人たちまで入り乱れ、曲目は宮城道雄作品から沢井忠夫作品、牧野由多可作品、私のオリジナル曲、箏曲部を舞台にした漫画に出てくる人気の作品、現代音楽と言われる難解な作品までバラエティーに富んだ曲目が並びました。トリは、30回連続出演、実行委員長でもあり、我が教室のボスでもある生徒さん(ボスというイメージとは程遠く、穏やかで控えめで優しく、頭がよくて誰もが頼りにする存在)が藤原道山先生の尺八と私の箏との三曲合奏『吼噦(こんかい)』(古典)で締めてくれました。

メインの曲はみんなそれぞれ1曲だけれど、上達して余裕ができてくると、助演として他の曲にも参加します。箏のいろんなパートや三味線、十七絃を担当。多い人では今回自分の持ち曲も含め10曲以上演奏した人もいます。

万が一私が倒れて弾けなくなっても、どこかのパートの誰かに何かあっても、すぐその穴を埋められるようにしておくだけでなく、どのパートにあってもいかに全体の音楽を魅力的にしていくかを考えながら演奏し、全体を俯瞰して演奏できるようにしてほしいと思っています。

 

定番の曲は全てのパートをいつでも弾けるようにしておく。

初見演奏の力をつけておく。

楽譜から多くの情報を読みとり、表現の引き出しをたくさん持つ。

 

これらは現代曲の演奏家としては必須ですね。

 

「成長」にはいろんな時期があって、次から次へミッションが与えられ量をこなしていく時期もあれば、曲は少ないけれどじっくり取り組んで磨きをかけていく時期もあります。「成長」もタイミングがあり、方向性がありますから、それを見計らうのが先生の役割かなと思っています。

私に頼りきった演奏から、やがて自立し、他の人の音が聴けるようになり、その上で自分の表現ができるように・・・その段階を一つずつ踏んでいくためにもおさらい会は大きなステップとなります。

今回は大きな舞台でしたから、すごくいい経験になったと思います。

 

とはいえ、舞台裏はみんな緊張している余裕もないほど走り回っていますよ(笑)。

それぞれに係があり、着替えがあり、大忙し!

演奏だけでなく、脳も最高に活性化したと思います。

 

それにしても、みんな本番に強い!

つづく

 

See you soon!