如月の日々に思うことなど

2023-02-22T00:30:07+09:002023/02/16|

節分が過ぎ、立春が来て、暦の上では春になりましたが、みなさん、お元気ですか?   私は、相変わらず、生活変革中。 何も予定がない、計画がない、目覚ましはかけない、ノーコンタクトレンズ、ノーメイク、超フリーな日を月に3回は作ることにしました。 これがなかなか良いのです! 最初は怠けている自分に罪悪感を感じたり、時間がもったいないと思ったり、自由なのにどうしていいかわからなくて心が焦ったりしたものの、すぐにエンジョイできるようになり、この時間があることによってその他に時間を充実して過ごすことができるようになった気がします。 結局、本を読んで、お散歩して、普段の生活とそれほど変わらないときもあるのだけれど、空っぽな時間でリフレッシュ&リセット!   この1ヶ月の間に、まずは、ずっと聴きたいと思っていたピアニスト・ファジル・サイのコンサートに行くことができました。 しかも、ブルーノート東京ではアレンジを含めたオリジナル作品、すみだトリフォニーホールではバッハのゴールドベルク変奏曲とシュー ベルトのソナタ。ジャズとクラシック、どちらも凄かった!これが『世界』だよなー。と、そのスケールの大きさに、なんだか広い広い空を久しぶりに見たような気がして、うれしくなりました。 ファジル・サイは、トルコ出身のピアニストで、クラシック界では異才であり鬼才。音色の色彩と艶、独特の間、知性、そして、強烈なエネルギーに圧倒され、マルタ・アルゲリッチの時も思ったけれど、天才とはこういう人、「心が奪われる」ということはこういうことだと実感したのでした。   そして、東京文化会館へニューヨークの作曲家・デヴィッド・ラングの新作(ジャパンソサエティ主催)のモノオペラを聴きに行きました。 芥川龍之介の遺書ともいうべき作品が題材。弦楽四重奏と共にオペラ歌手ではなくジャズシンガーのモノローグで舞台は進んでいきます。私にはミュージカルとオペラの中間のように感じられ、漂う静けさは聴く側に思考する時間を与えてくれているように思いました。舞台の上で起こっていることが自分に起こっていることのように感じられた舞台でした。   そして、歌舞伎座にて片岡仁左衛門一世一代の公演、鶴屋南北作の「霊験亀山鉾 亀山の仇討」を観ました。

2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

2023-01-23T23:57:39+09:002023/01/23|

2023年になり、随分日が経ってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。   これから大寒波が到来し、日本全国寒くなるとのこと。 なんだか頭痛がしてきたな・・・と思って頭痛アプリを見たら、真っ赤な警告ランプが!^^; どうかみなさん、ご安全に、そして、温かくして体調にはくれぐれもお気をつけください。   今年は、秋以降に演奏・作品発表・レコーディングの大きいイベントが控えているので、それまでは、しっかり学び、インプットしていきたいと思っています。 2023年、ともかく「学ぶ」ことを中心に、生活を変えることにしました。 というか、現在生活改造中。 なにしろ私は夜型人間です。夜型人間は「不健康」「不節制」「不適応」というレッテルを貼られることも多く、社会は朝型で回っているので、肩身が狭く、かくいう私も何度も朝型生活への転換を図ろうとしましたが、無理でした。 朝型か夜型かは遺伝子でほぼ決まっているそうですよ!みなさん! 母から聞いた話では、私は赤ちゃんの頃から昼夜逆転、夜になると目が爛々と輝き、両親を困らせていたとか・・・。 絶対私の遺伝子は夜型だ。と確信しています。   それなら!夜型の「身体も心も健康ライフ」を実践しようじゃないの!(誰に向かっての宣言?笑)と、小学生のように一日の時間割を貼り出し、毎日、ここは改善の余地ありだな。とか独りごとを言いながら、生活実験中です。 食事時間、入浴時間を変えて、一番頭の冴えている時間を「学ぶ」ことに使えるようにし、家事もゆるいルーティンを決めました。(ゆる家事の記事を発見し、これは助かる!と思って読んで見たら、全部いつも私がしていることばかり。こんなにゆるゆる手抜き家事していたのに、しんどいなあ。もっとゆるくしよ。と思っている私の感覚に苦笑。) 食生活はもう少し時間と手間をかけようと思っています。

2022年、ありがとうございました!

2022-12-31T21:19:17+09:002022/12/31|

ついに大晦日。2022年もあと数時間となりました。 大晦日(大みそか)は大つごもりとも言い、そういえば樋口一葉の短編小説に「大つごもり」というのがあったはず。と思いつき、読みました。 旧仮名遣いで書かれているので読み方が正しいのかどうかもわからないままでしたが、胸を締めつけられる思いがしました。偶然なのか故意なのか謎が残ったままの結末が余韻となって心に長く響いています。   2022年、今年も大勢の方に支えていただき、幸せな一年を過ごすことができました。 感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。   今年は私の教室の第30回記念演奏会を賑々しく華やかに開くことができました。 準備は大変でしたが、それゆえに喜びは大きく、教室生全員のチームワークもさらに強くなりました。応援してくださいました皆さま、サポートしてくださったスタッフの皆さま、さまざまな方面でご協力してくださった皆様に心から御礼申し上げます。   さて、来年は・・・。 私は、今回の記念演奏会を節目として、今後は自分の音楽活動の「作曲」の部分に特に注力していきたいと思っています。 そのために学びたいことは山ほどあり、また、ただでさえ専門的な勉強をしたことがない私にとっては作曲に途方もないくらいの時間が必要です。 本も読みたい、映画や舞台も観たい、世界中の文化に触れたい、いろんなアートを体験し、いろんな音楽をじっくり聴きたい・・・ああ、どれだけ時間があっても足りないなあ。と、溜息が出ます。多くのことをインプットし、作品としてアウトプットしていきたい。 そして、時間をかけて作品を作りたい。 そう思っています。  

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会『祝祭』閉幕 ありがとうございました!

2022-11-28T18:09:21+09:002022/11/28|

2022年11月12日(土)日本橋公会堂にて行われた私たちの教室の演奏会にご来場いただきました皆さま、また、ご支援いただきました皆さまに心から感謝申し上げます。 お礼を申し上げるのが遅くなり、大変失礼いたしました。   今年1年は、『祝祭』和歌山・東京公演で明け暮れたという感じで、終わった後はもう燃え尽きてしまい、魂が抜けたようで、まさに抜け殻! 干からびて、何もかもが頭も心も素通りしてしまい、自分の存在が消えて、透明人間になったようでした。 でも、お客様から、途中で帰ろうと思ったけど最後までつい聴いてしまって、気がついたらお尻が痛かった(笑)とか、ともかく全部楽しかった、とか、嬉しいご感想をいただき、本当に幸せで、もう初冬だと言うのに、心はぽかぽか温かいのです。   教室生の皆さんは大熱演。やっぱり予想通り本番に強かった(笑)。 みんな楽しそうだったけど、あなたが一番楽しそうだった。と、言われてしまった私。 実際、私はすごーーく楽しかった。どの曲もどんな音楽も、どの瞬間も、どの人も、みんな愛してるよー!という気持ちでした。 ブラジル音楽で私の大好きな『I love you, You love me』という曲を演奏しましたが、その通りAmor(愛)に溢れた時間でした。  

ホームランド

2022-11-02T23:15:38+09:002022/11/02|

ついに11月。東京公演目前! プログラムの原稿を校了、印刷開始。教室生の皆さんそれぞれに最終ワンポイントアドバイスをして、ここから先の詰めはご自身に任せ、あとは本番で私が精一杯のサポートをするのみ。 みんな、緊張する・・・と言ってはいるものの、どっこい!本番に強い鉄のハートをお持ちです(笑)   和歌山公演は、実行委員さんを中心に和歌山教室生が一丸となって準備し、東京教室生を迎えるというスタンスでしたが、今回は東京教室生が和歌山教室生を迎える番。 とはいえ、東京教室生はささやかなお弾初会の経験しかなく、また人数も少ないので、和歌山公演のノーハウを引き継ぎ、和歌山の実行委員さんに協力してもらいながら進めています。 それでもなお、和歌山と東京では環境や条件が全く違いますし、また企画自体も違うので、ミーティングを重ねながら、アイデアを出し合って、目下制作中。和歌山公演での反省事項を引き継ぎ、見直し、改良し、さらにパワーアップした舞台を皆様にご披露したいと思っております!   どうして演奏家になりたいと思ったのか? 演奏して幸せな瞬間はどんな時か?   もちろん、ミス連発、頭の中のホワイトアウト、パワー切れなどなど、ひどい演奏をして立ち直れないほど落ち込みまくって、プロとしてこんなことでいいのかと自分を責めまくり、もう辞めた方がいい、演奏家に向いてない・・・と思ったことは何度もあるけれど、考えてみると、ものすごく難しい曲をノーミスで弾いた時が自分にとって最高の演奏であり、一番の幸せであったかというとそうではない。 お客様、共演者、スタッフ、そこにいる全ての人と心が通じ合って、分かち合えたときは本当に幸せいっぱい。心は目に見えるものではないけれど、その瞬間、まるで異空間への扉が開いたように、道が開通したように、すーっと人々がつながって、それは見えるが如く感じられるのです。 私の母はその瞬間のことをよく「真空になる」と言っていたけれど、まさに真空の静寂。その後にいただく拍手は最高に嬉しい!最高に幸せな瞬間!   一方で、新しい試みにチャレンジをして、理解されなくて、批判されて・・・そういう時はとても孤独で辛いけど、不思議にそういう時に一人は必ず応援してくれる人がいてくれる。そして、心のどこかでこっそりチャレンジしている自分が好きな自分がいる。 こちらは、言うなれば、陰の幸せ。

9月の演奏ご報告

2022-10-09T10:36:44+09:002022/10/08|

これまでにあったコンサートのご案内もご報告もできないまま、その上、11月12日のお知らせも教室のSNSチームに任せたままで、失礼いたしました。   9月は二つのコンサートがありました。 ひとつめは、9月16日(金)にすみだトリフォニーホール・小ホールで行われた第8回両国アートフェスティバル エピソードゼロ『映画と音楽、そして対話』というタイトルのコンサート。 佐藤利明さんのナビゲートで、ピアニストの林正樹さん、ギタリストの山田岳さん、そして、私が、それぞれ、日本映画、ハリウッド映画、ヨーロッパ映画の中から映画音楽を選び、演奏するという企画。でも、実は、これはエピソード・ゼロ。来年のコンサートのプレイベントとなるもの。 なんと!来年の秋に向けて、私たちはそれぞれ架空の映画の音楽を委嘱されたのでした! というと、ちょっとわかりにくいですね? もし、自分が映画を作るならどういう映画を作り、そこにどういう音楽をつける?という、壮大かつチャレンジングな企画なのです。というか、お話をいただいた時には、私に委嘱してくださる大胆さ(無謀さ?)に心臓が破裂しそうでした。でも、まさにこれから創作活動に力を入れていこうと思っていた絶妙のタイミングで、私の心の中を見透かされたようでドキッとしました。 ピアノと箏のための作品という指定。ピアノは7歳から高校生まで習っていたので少しは弾くことができるし、箏のための作品もピアノと箏を行ったり来たりして作っているので、これはきっと神様が与えてくださったチャンスに違いない!と信じて(実際は門天ホールの黒崎さんが依頼してくれました。笑)、頑張ります。   話が来年に飛んでしまいましたが、今年はそのプレコンサートということで、私はヨーロッパ映画で登場する音楽を弾くことになりました。映画は詳しくなくて、観た映画はほとんど古い映画。両親から映画音楽のピアノの楽譜をプレゼントされたのがきっかけで、こんな素敵な音楽にどんな映画が?というのが映画を観る動機になりました。(普通は逆だと思うけれど・・) 選んだ映画は『道』『ひまわり』『男と女』『禁じられた遊び』『黒いオルフェ』、そして、一つだけ映画から音楽を知った『アメリ』。 映画『アメリ』は、とても小さな世界で起こるできごとが人生を変えてしまうこともあるということに気づかせてくれます。箏の世界も13本の絃の中で展開されるとても小さな世界。この世界の中で面白いことを企んでいる私は、アメリにすごく共感するのです。 似ているのは、もしかすると、箏の世界というより、私の思考?嗜好? 6曲のアレンジは、始めると楽しいけれど、箏では不可能なことだらけでなかなか進まず、結局、超絶技巧に見えない超超絶技巧という、いわゆる報われない(笑)アレンジになってしまいました。不可能なことが多いと、結局は削って削って美味しい部分だけが立ち昇ってくる・・・一人でそれを発見して悦ぶ様は、料理人に近いかも(笑)。 にしても、もう少しいい演奏をしたかったな。と、後悔しきり。 来年に向けて、頑張ります!

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告・最終回

2022-09-07T12:39:41+09:002022/09/07|

ご報告最終回が、9月に突入してしまいました。しかも、もはや演奏会から1ヶ月が経過してしまいました。 なんと!自分の感覚が全然追いついていません。 とはいえ、東京公演の準備も少しずつ始まっています。   いよいよ第2部ガラコンサート。 プレトークでは、藤原道山先生、芦垣皋盟先生と私で、出会った頃のお話や教室生との思い出などなど。笑えるエピソードあり、深いお話あり。 最後は「わたしにとって尺八は?」という質問にお応えいただきました。 プロの演奏家でもアマチュアでも、根っこは同じ。 音楽って人生や生活を一変させるすごいパワーを持っているのですよね。   続いては、お二人による「現代鈴慕」。 この貴重な演奏を目当てにご来場くださったお客さまも多く、私はリハーサルで拝聴しましたが、いつまでもずっと聴いていたい。と心底思いました。 尺八の音色がこんなに素晴らしいとは知らなかった。とか、尺八のイメージが変わりました。など、反響がすごかったです。   そして、私の新作「夢」の初演。 3楽章に分かれており、1、まどろみ、2、疾風、3、白い蝶というタイトルをつけています。第1稿ができたのが本番の3週間前。そこから大幅に書き直しようやく仕上がったのが2週間前。最後の2小節の音は3日前に変更。藤原先生にはたくさんのアドバイスとご協力をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。 リズムも旋律も安定しそうになると崩したくなるというのが私の傾向。特に2楽章は変拍子と素早い転調の連続。もちろん意味もなく難しい曲を書くのは本末転倒だけれど、自分の手の内に溺れたくないと絶えず自制しています。それは私自身が溺れやすいことを自覚しているからなのですが…。手紙と同じ、夜中に自分の中で盛り上がって興奮してどんどん書き進めて、次の日冷静になってみると恥ずかしくなるパターンです。

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告④

2022-08-23T13:56:59+09:002022/08/23|

いよいよ、ここから教室生によるコンサートです。 少しずつ新しいことを取り入れながら変化していくのが我が教室の流儀。今回は30周年ということもあって、かなりリニューアル。新しいことにチャレンジしました。   その中の一つは大合奏。 オープニングの『六段』そして、第一部の最初の曲『黒田節による幻想曲』、第一部の終曲『石橋』、フィナーレの『世界の民謡メドレー』の4曲はどれも大合奏。 『黒田節による幻想曲』は全員。『石橋』は古典を習っている人全員。『六段』『世界の民謡メドレー』はほぼ全員。 今回は新しくて大きなホール。これはチャンジするしかないでしょ!というわけで4月から和歌山と東京で合奏練習を重ねてきました。前日のリハーサルでは和歌山教室と東京教室が合体! 「わあ、久しぶり。」「元気だった?」という会話もちらほら、賑やかに合奏を楽しみました。   衣装を楽しむのも我が教室のチャームポイント。 『六段』と『黒田節による幻想曲』は訪問着など柄物の着物。25面の箏と着物が織りなす舞台はなんとも華やか!絢爛豪華です。 『石橋』は色無地。金屏風に緋毛氈。箏は前、三味線は後ろに組んだ平台の上で演奏。私は、長唄の舞台を見るたび、ああ、なんて素敵!なんてカッコイイ!と憧れており、いつか教室でこの舞台セットを実現したいと思い続けてきました。今回実現!!! 『世界の民謡メドレー』は、お祭りのフィナーレですからはじけましょう!というわけで、民族衣装もどき?の衣装で演奏。みんな、マスカレード(仮装パーティー)ならぬ普段ではあり得ない衣装で大変身!演奏前には幕前で俄かファッションショーをしました。 どんどんはじけ方が大胆になって、派手になって、いつの間にか私たちの教室の名物企画になりました。 お客様にも大好評で、一緒に参加したいという方続出!^ ^  

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告③

2022-08-19T16:26:05+09:002022/08/19|

続いては、音と映像で綴る「わたしたちの30年のあゆみ」。 編集委員は好奇心のかたまりで特に植物をはじめとした自然への興味が尽きない生徒さんと万葉集をはじめとした日本の古典文学が大好きでいつもユニークな視点でコメントしてくださる生徒さんが担当してくれました。お二人を中心にSNSチームがサポート。コロナ禍にあっても休むことなく継続したおさらい会を中心に、30年分のみんなの写真、私の海外での演奏活動や生徒さんの海外での活動の写真を、世界や日本の社会の動きと共に編集してくれました。音楽は、映像に沿って「だんご三兄弟」をはじめとする当時流行ったPOPSを数曲生演奏でお届けしました。 「こども音楽隊」として参加してくれた生徒さんのお子さんたちも、今はもう高校生や大学生になり、客観的にアドバイスしてくれました。頼もしく心強い! ロビーではミニ写真展も開催しました。   30年の間に、携帯電話、インターネット、SNS、・・・私たちの生活は大きく変化しました。 奇しくも30年前にソ連が崩壊し、ウクライナが独立しました。そして、今戦争状態に・・。 アメリカで9・11の同時多発テロ事件があり、ほとんど情報のないアフリカや中東、アジアの各地でも政変や紛争などが絶えることがありません。 阪神淡路大震災と東日本大震災という二つの大きな災害に見舞われた日本。最近では、自然環境の変化を実感します。 その一方で、人々は毎日新たな命の誕生を祝い、家族や友人との食事や会話に幸せを感じ、新たな発見や発明に心弾ませ、美しいものに心奪われ、喜びを感じます。 30年間で価値観も大きく変化しました。   私自身、恩師・沢井忠夫先生、そして、いつも応援してくれた両親と叔母、大好きだった親友がこの世を去り、東京と和歌山の往復生活は変わらないものの住まいは江古田から北鎌倉、そして今の日本橋へと移り、音楽活動も変化し続けました。 多くの出会いと別れがありました。 それは生徒さんたち一人一人にも・・・。 当日は、生演奏をしたので映像はゆっくり見ることは出来ませんでしたが、事前に編集委員さんが送ってくれた写真を観て、その時々のできごとを思い出し、PCの前でひとり胸がいっぱいになりました。  

西陽子箏曲教室第30回記念演奏会ご報告②

2022-08-18T00:01:42+09:002022/08/16|

開幕曲は、八橋検校作曲「六段」です。 箏曲の原点がここにあり、基本の全てが詰まっています。 それよりも何よりも、400年前から脈々と口伝を主体に伝わってきた作品を今私たちがこうして弾けることがすごい!と思いませんか? 何度弾いても新鮮。何度弾いても発見がある。決まった型がありながら、自由度が高い。 本当にすごい作品なのです!   私は、『筝は伝統楽器なのだから古典をやらなければならない。』という考えは好きではありません。 音楽家など親戚縁者に誰もいないごく普通の家庭で育ち、ピアノが大好きで、「ショパンやドビュッシー、ベートーベン最高!「春の海」は古典でしょ?」という程度の知識しかなかった私が、大学に入学してから始まった古典漬けの日々に違和感と重圧とストレスをどれほど感じていたことか・・・。 まるでブラックホールに突き落とされたような大学生活の中で、藤井久仁江先生や上木康江先生、芦垣美穂先生の『目から鱗』レッスンが私に古典の面白さを教えてくださいました。   『古典は面白いし楽しい!だからトライしてみようよ! 江戸時代の音楽を今体験できるなんてすごくない?これっていわゆるタイムトラベルでしょ?』 というのが、私の考え。   もちろん楽しくなるまですごく時間はかかります。 西洋化された社会に生きる現代人からすれば何もかもがまさに謎! 拍子の区切りが謎、規則性無し、旋律も謎・・・ああ、謎だらけ。ちんぷんかんぷん????

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